静岡市葵区の長谷通り商店街。静岡浅間神社の東側に位置する100年以上の歴史ある商店街なのですが、50年前は120軒あった商店が今は20軒。なんと100軒も減っています。商店街の火を絶やさないため、高校生が10代の視点でPRを始めました。

<影島亜美アナウンサー>
「静岡市葵区にある長谷通り商店街に来ています。車の通りは多いのですが、人通りは少なく、少し寂しい感じがします」

およそ70年前からこの長谷通り商店街に店を構えるこちらの陶器店も、商店街の衰退を目の当たりにしてきました。

<山田屋陶器店 櫻井博之社長>
「自分が小学校の頃は、個人店舗が80軒くらいあって、映画館もあったし、お肉屋さん、魚屋さん、八百屋さん、何でもあったので、すごく活気のある商店街だった」

空き店舗も目立ち、長谷通り商店街は50年前に比べると、商店がおよそ100軒減りました。

<山田屋陶器店 櫻井博之社長>
「(商店街が)無くなってしまうと思うとぞっとする。(商店街が無くなると)周りのお年寄りが困るだろうし、正直なことを言うと自分もあと10年15年は仕事をしなければいけないので」

商店街はなぜ、必要なのか?商店街を研究している県立大学の大久保あかね教授は「商店街はいわば、地域の顔。無くなると住民やそこを訪れる人のコミュニケーションが失われる恐れがある」と指摘します。

<高校生>
「良い感じ良い感じ」

地域の商店街の危機的な状況を救う一手となるのか?この春から静岡市立高校の1年生は地域の商店街の魅力を10代の視点で伝える「お店の魅力発信プロジェクト」を始めました。

<高校生>
「過去最高に卵が売れた時って、何パックくらい売れたんですか?」
<店主 青木さん>
「一日ですか?何千パックでしょうね」

生徒たちは店主に取材し、写真や動画などを撮り、それぞれの店のポスターやチラシ、紹介動画を作ります。

<高校生>
「話を聞いてみると、意外と遠いところから仕入れていたりして、そうなんだという新しい発見があった」

別のグループは整骨院を訪れました。

<大橋院長>
「結構効いてる?」
<高校生>
「気持ちいいです」

魅力を伝えるために生徒が施術を受け、その様子を取材します。

<高校生>
「私たちが作成する動画で、静岡市の人や周りの人に知ってもらえたらいいなと思う」

商店街を研究する静岡県立大学の大久保教授は今回の静岡市立高校のプロジェクトについて「若い世代が商店街の来る機会を作って、定期的に訪れる習慣を作ることで、高校生が大人になった時に、自分の子どもを連れてくる循環が生まれる」と評価しています。

高校生が作った動画やチラシなどは6月15日に校内で発表会を行ったのち、取材先の店舗などで掲示されるという事です。