2025年10月12日に告示される静岡県伊東市議会議員選挙の立候補予定者説明会が9月22日に開かれました。定数20を上回る35の陣営の関係者が出席し、田久保市長に近い立場の人も複数いるとみられています。
9月22日朝、記者から「何人擁立するか決めたか」と問われた田久保市長は、この日も無言を貫きましたが、市では市議選に向けた準備が進んでいます。
<伊東市選挙管理委員会 菊間徹夫委員長>
「有権者の信頼にこたえられますよう、心より切望いたします」
22日に伊東市役所で開かれた市議会議員選挙の立候補予定者説明会には、定数20に対し、前職と新人、計35の陣営関係者が参加しました。35陣営のうち18人が前職で、いずれも田久保市長の不信任決議に賛成する立場です。
残る17陣営のうち、SBSの取材では少なくとも6人がいわゆる「市長派」といわれる立場とみられています。10月の市議選に向け各陣営は今後本格的に準備を進めていきます。
そんななか、選挙権を持たない若い世代が伊東市の今後について意見を出し合いました。市内に住む小中高生16人が参加した「いとう子どもみらい会議」です。
<参加者>
「やっぱり図書館と学校の統廃合が身近な問題だから気になりますよね」
企画したのは市内に住む宮内友暉さんら高校生の有志たち。田久保市長の学歴詐称疑惑がきっかけで、市の問題について議論する機会を持ちたいと考えたといいます。田久保市長が建設を中止にした新しい図書館についても活発な意見が交わされました。
<「いとう子どもみらい会議」宮内友暉代表>
「(新図書館は)下の所が図書館なんだけど、騒いでOKという予定だったんだよ。だからなかなか全国にもなくていいねと思ったんだけどそれはどう思う?」
<参加者>
「図書館って静かにする場所だけど、(遊ぶと)うるさくしたくなる」
<宮内代表>
「(階を)分けるんだったら全然ありだと思うよね」
企画した宮内さんは、この会議を伊東の未来を考えるきっかけにして欲しいと話します。
<宮内代表>
「若者が伊東を好きになって誇りを持てるような伊東になっていったらと思います」
静岡県伊東市議会の定数は20人です。議会が解散に追い込まれた田久保真紀市長の不信任決議案。新しい議会で再び提出された場合、議決には地方自治法の規定で、議員の3分の2にあたる14人以上の出席が必要です。
そのため、田久保市長がいわゆる「市長派」の候補者を7人当選させ、その7人が議会を欠席(ボイコット)すれば、不信任案の採決自体ができなくなり、市長は失職を免れることができます。田久保市長にとって、「市長派」7人以上の当選が絶対条件といえます。
9月22日に開かれた立候補予定者説明会には、新人17陣営が参加。SBSのこれまでの取材では、このうち6陣営がいわゆる「市長派」とみられています。また、説明会に参加しなかった陣営にも「市長派」はいる模様で、出馬を検討している「市長派」は目標の7人以上に達する可能性があるとみられています。
伊東市議会議員選挙は10月12日に告示、19日に投開票が行われます。