中学2年生の時に雪山で凍傷に「劣等感」がすべての始まりだった

生まれたのは岡山県新見市。幼い頃は活発な子どもだったといいますが、中学2年生のとき雪山で倒れ、凍傷に。以来、なぜか体に力が入らなくなり動けなくなったことが、全ての始まりだったといいます。

(佐々井秀嶺さん)
「力がなくなったんだよ。ベースボールをやった。ドッジボールやバレーをやった。みんなやったんだけども、泣きながらなぜ出来ないんだと。涙が流れて流れて。力がないんだ。劣等感だな」

「暗黒の世界」浮浪者生活、酒と女に溺れ3度の自殺未遂

劣等感にさいなまれた佐々井さん。中学卒業後は事業で一旗あげようと上京するもうまくいかず浮浪者同然の生活に…。酒と女に溺れ自殺未遂を3度起こします。

(佐々井秀嶺さん)
「何もできなくて。ニヒリズムだな。孤独なんだ。救われたい、死にたい、死にたい、ということで、暗黒の世界を歩くんだ」

救いを求めて25歳で出家。その後、修行の一環と師匠から勧められ仏教国タイに留学しました。

タイでは女性にピストル向けられ。。。流れ着いたのがインドだった

しかしそのタイでは、修行の身でありながら女性2人と三角関係になり、女性からピストルを向けられる羽目に一から出直そうと32歳で向かったのが、インドでした。

(若き日の佐々井秀嶺さん)
「きょうは仏陀の生誕祭です」

挫折を繰り返しながら辿り着いた、仏教の古里。しかし、インドでは人口の大多数を占めているヒンズー教の教え、カーストによって連綿と激しい差別が続いていることを目の当たりにします。

(佐々井秀嶺さん)
「神と名が付くものは、人を助け、救うのが本当ではないか」

煩悩に苦しみ、さまよいインドにまで流れ着いた、若き日の佐々井秀嶺。こののち、佐々井さんの起こした行動が、インド仏教界を大きく変えることになっていきます。

後編に続く)