タイ・バンコクで行われている陸上のアジア選手権・女子1500mで大会新記録及び、今季ベストとなる4分6秒75で初優勝を果たした田中希実( 23、NewBalance)が15日に帰国し、取材に応じた。

今大会については、「去年のシーズンベストよりは遅いタイムになったんですけど、内容としては、今までみたいに最初から行くであったり、途中からドンと仕掛けるであったりとかとはまた別の、ビルドアップのように上げていくような形でタイムが出たので、そこはしっかりと自分の力を確かめることができたかな」と手ごたえを口にした。

世界陸上ブダペストの参加標準記録(4分03秒50)には惜しくも届かなかったが、ワールドランキングでの出場資格獲得は濃厚。「レース展開やラップタイムなども世界基準に近づきつつあるかなというのは私自身の手応えとしてはある」としながらも、世界で戦うための課題として「いかにレースの中で再現するか」、「勝負勘」をあげた。

来月の世界陸上ブダペストについては、「最低限は入賞を目指して取り組んでいくこと。その上でより上の成績がついてきたら、とても幸運なことだなと思っていて、今できることにコツコツと向き合いながら向かっていきたい」と約1か月後に迫った開幕に向けて、照準を定める。
昨年の世界陸上オレゴンでは準決勝で敗退した1500mで、雪辱を果たすべく虎視眈々と準備する田中に期待だ。

■田中 希実(たなか・のぞみ)
1999年9月4日生。兵庫県出身。ニューバランス所属。同志社大卒。趣味は読書。東京五輪女子1500mで日本人初の決勝進出、8位入賞。 22世界陸上では日本人初の個人3種目(800m予選敗退、1500m準決勝敗退、5000m12位)。