■ 県央地区 "大村"に 駅・空港・ICが揃う

平家:
一方、県内の住宅地価格は、今年の『地価公示における対前年平均変動率』を見ると『都市部とそのベッドタウンが上昇』していて、『それ以外の地域は下がる』”二極化”が進んでいるのが分かります。

中でも注目したいのが大村市で、長崎県宅建協会などが去年10月に不動産業者にアンケートした結果、71%の業者が『1年前と比べて価格の上昇を実感している』と回答しています。これは県内の他地域と比べてダントツの数値です。

また、『1年後どうなるか?』という予測についても、46%が『上昇する』と答えていて、こちらも他地域より高く、県内トップの水準となっています。

住吉:
大村市は県内で人口が増えている数少ない自治体でもありますが、新幹線とも関連があるのでしょうか?
平家:
大村市の住宅地価格を押し上げている要因として考えられているのが”地理的条件”です。

田平 不動産 鑑定士「大村市は県内の自治体の中でも ”平坦地の部分がかなり多い” という珍しい地形になっております。また、県内でも”ちょうど真ん中に位置”しているということで、ここに住宅を構えれば、"県内どこでも行きやすい" と」

これに加えて、「新幹線の開業が住宅地価格の上昇に拍車をかける可能性がある」と田平さんは見ています。

田平 不動産鑑定士「新幹線が来ると『大村から長崎市に通勤するのが非常に便利』になりますし、加えて『博多方面に行くのも時間がかなり短縮』されます。”新幹線の駅” と ”空港” と ”高速のインター” が全部そろっているというのは、大村市は非常に強みであると思います」

住吉:
国土交通省の試算によりますと、長崎から大村までの所要時間は、現在が最短でおよそ40分なのに対して、新幹線はおよそ16分と半分以下に短縮されるということです。
長崎市のベッドタウンといえば、これまで時津町・長与町でしたが、これに大村市も加わってきそうですね。
平家:
ここまで見てきて新幹線の開業が、商業地・住宅地ともに地価を押し上げる要因となっているのが分かります。
しかし、それ以外の離島・半島地域などでポジティブな要素が全く無いかというとそうでもないんです。
先ほどの地図を見てみると、地価は確かに下がってはいるんですが、逆に考えると『土地を安く購入したり、借りたりできる』という側面もあります。
つまり投資額を抑えられるということです