ミャンマー軍によって拘束された民主化の指導者、アウン・サン・スー・チー氏とタイの外相が9日、刑務所で面会していたことがわかりました。2年前のクーデター以降、外国政府の要人がスー・チー氏と接触したのは初めてです。

タイの外務省関係者によりますと、ドン外相は9日、ミャンマーを訪問し、首都ネピドーの刑務所に収監されているスー・チー氏と1時間以上にわたって面会したということです。外国政府の要人がスー・チー氏と接触したのは、クーデター以降、初めてです。

軍による厳しい弾圧が続くミャンマー情勢は、インドネシアで始まったASEAN=東南アジア諸国連合の関連会議でも重要な議題のひとつとなっています。

ドン外相は12日の会議で、スー・チー氏との面会についても言及し、「スー・チー氏が心身ともに健康に過ごしていることを確認し、ウクライナ情勢を含む国内外の問題について意見を交わした」と明かしました。

そのうえで、「新たな政治的和平プロセスの始まりを示すものだ」として、対立する軍政側と民主派側の橋渡し役になると強調しました。また、「スー・チー氏からは前提条件なしでの協議について支持を受けた」としています。

ASEANは暴力の即時停止など、軍政側と合意した5つの和平計画の履行を求めていますが、これまでほとんど進展はなく、一部の加盟国は打開策の見直しを求めています。

こうしたなか、タイ外相による面会が今後のミャンマー情勢にどう影響するのか注目されますが、タイは、伝統的にミャンマー軍への融和的な姿勢を維持していることから、軍政側に有利な形で交渉を進めているのではないかという懸念の声も上がっています。