6月28日の記録的大雨で、富山県の白岩川ダムで緊急放流が行われました。ダムを管理する富山県の新田知事は、市町村や住民への周知方法に課題があるとして情報提供のあり方を検証する考えです

6月28日、富山県立山町と上市町の山間部を中心とした記録的大雨では、白岩川ダムの上流で1時間に最大88ミリの局所的な大雨が降り、水位が急激に上昇したため県は緊急放流を実施しました。

その白岩川の下流域では、住宅や水田の浸水被害が相次ぎました。緊急放流について、新田知事は11日の定例会見で「洪水の軽減だけでなく、流木の被害の軽減にも貢献した」とその効果を強調しました。

富山県 新田知事:
「最大流入量の約14・8%に当たる毎秒約62立方メートルを低減することができました。これがダムの効果と言えるかと思います。ピーク流量の発生を30分遅らせることができました」

一方で、情報提供のあり方には課題があるとしました。

富山県 新田知事:
「急激な水位上昇だったために、移行(緊急放流)にかかる情報提供に猶予がなかったことは事実であり、市町村、住民への周知や情報提供に課題があると考えております」

今後は県が管理する16のダムについて、操作方法や住民への周知方法を確認するほか、国や市町村など関係機関と意見交換し、情報提供のあり方について検証するとしています。

また、豪雨災害について河川や道路などの公共土木施設で67か所、農地や林道などの関係施設で165か所の合わせて232か所について、国に被害報告したことを明らかにしました。

県は現在応急対策の工事を実施していますが今後は、被災から2か月をめどに災害査定が行われ、本格的な復旧工事が始まります。