1年で地球378周分相当…紙の無駄をなくす「スマートレシート」とは

レシート用の紙ロールを作っている工場では、巨大な紙のロールを細く切り分け、巻き直してレシートロールにしています。その消費量は、2022年の1年間で約2.4億ロール。どのくらいの長さかというと…。

(東芝テック スマートレシート推進室・吉村真さん)
「年間国内で消費されるレシートロールを全部つなぎ合わせると、全長1500万キロくらいになる。地球を何周できるかに換算すると、378周分に相当する」


しかも、この紙はFAXなどにも使われる熱を加えて印字する感熱紙。基本リサイクルできず、バージンパルプからしか作られていません。

捨てられる分は紙資源の大きな無駄遣いになっています。

こうした中、登場したサービスがあります。

コンビニのミニストップが導入した「スマートレシート」は、買い物の内容を記録できるスマホアプリ。レジでアプリのバーコードを提示すれば、紙のレシートは発行されず、スマホの中に「電子レシート」の形で保存されます。

(ミニストップ広報・岡啓介さん)
「お客さんの利便性や、われわれが取り組んでいる環境負荷の軽減。いまちょっとコロナは収まりましたけど、接触が減らせるところもスマートレシートを導入した一つのきっかけ」

電子レシートは13か月間アプリ内に保管され、購入品目の分類なども可能です。

便利&非接触で利用者急増!約6000キロメートルの紙を削減

愛知県内に51店舗展開する「アオキスーパー」でも、今年3月にスマートレシートを導入。導入から3か月経過し、お客さんの約15%が利用しています。

(アオキスーパー アズパーク店・清水稔夫店長)
「このまま登録者が増えれば、よりエコにつながるのではないのかなと思う」

実際に利用している人にも話を聞きました。

(スマートレシートの利用客)
「(Q始めたきっかけは?)(紙の)レシートが出てこないっていう便利さ」

データとして残るため失くさずに済むだけでなく、後から見返せる、レシートを受け取る手間が省けると好評の声が聞かれました。

登場は2014年ですが、開発した東芝テックはここ数年で利用者が急増していると言います。

(東芝テック スマートレシート推進室・吉村真さん)
「コロナ禍の際に非接触が有効ということで、2020年以降から利用者が急増しています。直近で約138万人。昨年一年間の実績は、スマートレシートの利用枚数が約4000万枚。長さにしますと約6000キロメートル。東京とホノルルをつなぐ距離の紙レシートを削減」