6人が死亡した工場火災について三幸製菓は、外部の専門家を交えた調査委員会をつくり火災原因と被害が拡大した原因を調査してきましたが、31日の会見で一次報告書の内容が明らかにされました。
工場内の見取り図によりますと、乾燥工程付近で男性社員が1人、生地の切断工程付近で男性社員が1人、包装室の出入口付近で女性のアルバイト従業員4人が亡くなっているのが発見されました。

防犯カメラの映像を分析したところ、包装室にいた従業員が火災に気づいたのが午後11時40分ごろです。この時はまだ避難できる状態だったとみられていますが、3分後には黒煙が包装室内に充満し、周りが見えなくなる視界喪失状態に達したということです。このため、避難口から遠い場所にいた2人の男性社員は移動することができなかったとみられます。
また女性4人の亡くなった包装室の場合、通常の出入口の防火シャッターは閉まっていましたが、すぐ近くに非常出入口がありました。しかし女性はそれを知らず、見つけられなかったため、逃げ遅れたと考えられるということです。女性4人は避難訓練に参加したことがなく、これが原因だった可能性もあると調査委員会は指摘しています。
こうした調査結果を受け三幸製菓は、避難経路を確実に確保するべく以下の再発防止策を発表しました。
・工場内の避難経路を色分けすると共に、暗闇でも分かるような蓄光テープを貼る
・常に持ち歩けるハンディライトを全従業員に対して配布
・避難マニュアルの更新と夜間を含めた訓練の実施

記者会見の様子は、遺族も別室で確認していたということです。