2022年4月、知人の男性を殴るなどして死亡させたとされ、傷害致死の罪に問われている山口県光市の配管工の男(47)。バーベキューの片づけ中、被害者の男性のささいな行動に立腹したことが、事件のきっかけでした。

起訴状などによると、男は2022年4月28日午後11時ごろから29日未明にかけて、山口県光市の自宅前の路上や自宅で知人男性(当時61)の全身を拳や木刀で複数回殴るなどして、死亡させたとされます。

7月5日、山口地裁であった初公判で、事件のいきさつが明らかになりました。検察側・弁護側の冒頭陳述などによると、男と被害者の男性は2020年ごろに知り合いになりました。男性は、当時勤めていた会社に不満を持っていて、相談を受けた男は「なんとか助けたい」と考え、配管工の仕事を一緒にやろうと誘いました。そこから男性は、配管工として働くことになり、男の自宅の敷地内にある別の家に住み始めます。

しかし、この生活の中で、男性は暴力を振るわれるようになり、事件までの間もたびたび暴力を受けていたということです。

事件があった2022年4月28日。男と男性は、知人らとともに夕方からバーベキューを始めます。男性以外は、酒も次第に進んでいきます。一方男性は、ふだんから酒を口にしなかったといいます。バーベキューを終えた午後11時前、男性の運転で自宅に戻ると、男と男性は一緒に片づけを始めます。しかし、男は突然、男性の荷物の置き方に腹を立て、暴行を始めます。男は自宅前の路上で、男性を殴ったり、引きずったりするなどの暴行を加えました。

男と知人1人、そして被害者の男性が自宅に入り、3人でテーブルを囲んで酒を飲み直していましたが、男の男性への怒りが再燃し、再度暴行。全長約1メートルの木刀でも殴ったといいます。

男性はそのまま横たわったままでした。男は朝まで5回ほど、体をゆすって呼びかけるなどしたということですが、最後に男性の脈がないことに気づき、119番通報。救急隊員の到着まで心臓マッサージや人工呼吸を続けましたが、息を吹き返すことはなかったといいます。

初公判で男は起訴内容を認めました。弁護側は「過度な飲酒で自制心をコントロールできなくなっていた」と主張。証拠調べで出された資料によると、男性は頭部を中心に傷やあざが多数あったということです。