書店経営で生計を立てていくのは厳しい

ここでは古書・古本のコーナーもありますが、そこで1番売れていたのはCBCにゆかりのある本でした。

(大石アンカーマン)
「元CBCアナウンサーの中島公司さんの本。これアナウンス部にあったので、私も読んだことありますよ」

(堀江浩彰 社長)
「これはNAgoya BOOK CENTERの古書部門で一番売れている本です」

この「名古屋 味どころ」は店頭に並んで半年たらずでおよそ20冊が売れました。売上げは徐々に伸びてきていますが、書店経営で生計を立てていくには大型店舗でないと難しいと感じています。

(堀江浩彰 社長)
「本自体の利益率がすごく低い。1000円の本が売れたとして利益は220円くらい。本屋で暮らしていこうと思うと、かなりの数を売らないといけない」

それでも町の書店を守りたいという思いから、ビルのオーナー業やデザイン会社など、本以外の収入源を確保しています。

(大石アンカーマン)
「愛知、名古屋で苦しくなったら、どうですか東海3県に広げたら」

(堀江浩彰 社長)
「それはしないですね。コンセプトが薄れちゃうと、店の根幹が揺らいでしまいますので、だめルートまっしぐらになってしまうので。そうならないように、こだわりは強く持った上でいきたい」


名古屋市西区で60年近く書店を営む服部さんも業界の厳しさを肌で感じています。

(服部書店 服部順子さん)
「あっという間に世の中が変わって、うちなんか小さな本屋になってしまった。大きい本屋ばっかりになっちゃったから」

(大石アンカーマン)
「この業界について、どのようにみている?」

(服部順子さん)
「すごく悪くなったと思う。衰退した」

跡継ぎはいないため、服部さんの代で店を閉めることに。

それでも、地元の人に支えられていると実感しています。

(服部順子さん)
「若い子も来てくれて『このコミック売れているよ』『これたくさん入れた方がいい』と教えてくれる」

お店の一番目立つ場所には、店に良く来る地元の若者や子どもがおすすめのマンガがずらり。

コミュニティの繋がりこそ、「町の本屋さん」の強みです。

(服部順子さん)
「縁があってここで店をやらせてもらって、皆さんにかわいがられてここまでやってこられた。体がしんどいから辞めると言うとみんなが『辞めたらだめだよ』と言ってくれるから、揺れ動いています」

2023年6月22日放送 CBCテレビ「チャント!」より