■ミカン畑を次の世代へ―

河野さんには、3人の子どもがいます。去年3月、宇和ゴールドの収穫をする河野さんの園地には、お手伝いする子どもたちの姿がありました。
“子どもたちにミカン園地を残していきたい-”
河野さんが再編復旧に賛同するのは、その思いからです。
記者
「大きくなったら何になりたい?」
長男
「ミカン農家」
河野さん
「将来、父ちゃん手伝うよと言ったときに仕事のしやすい環境ができたらなと」
去年6月。河野さんは、再編復旧が予定されている畑でミカンの木を伐採していました。伐採の作業は、農家が自ら行わなければなりません。
河野さん
「ここまで4年かかって、すごく長かったなというのが本音ですね。伐採は原形復旧とかは全部業者がやる。再編復旧はお金がいらなく大きい工事ができる分、割とそういうところの負担が実際はあって、そこは見えていなかった」

そして、河野さんの園地でも去年9月から工事が始まりました。
河野さん
「ようやく動き出したなと。期待しかないけれども、目に見えて進む量は少しずつなので、早く工事が終わってほしい気持ちが強い」
一方、この山の反対側では工事が一向に始まっておらず、5年経った今も葛藤している農家もいます。