7月1日にかけて、山口県内を襲った大雨。

被害、影響は各地に及びました。

前線に向かって暖かく湿った空気が流れこんだ影響で、大気の状態が不安定になり、県内は6月30日から大雨となりました。

中村周記者「雨の影響でマンホールのふたが外れ、市の職員がおさえるように上に乗っています」

住宅街にあふれた水は道路のアスファルトの一部をはがすほどの勢いでした。

側溝からは噴水のように水が噴き出し、警察が車が立ち入らないように規制していました。

下関地方気象台は7月1日未明、「線状降水帯発生情報」を発表し、下関市では、1時間に100ミリを超える猛烈な雨となりました。

山陽小野田市では、警戒レベル5・緊急安全確保が一時発令されました。

和木町を除く18の市や町に土砂災害警戒情報が発表され、ピーク時には、439世帯739人が避難しました。

一夜明けた土曜日、被害状況が明らかになりました。

「氾濫危険情報」が出された山口市の仁保川。

その支流の問田川周辺では、道路の冠水や住宅の浸水などの被害が出ました。

家が浸水
「玄関の中まで入ってきました。私がここにもう40年くらい住んでいる。(浸水は)3回ありましたね」

家が浸水「ゆめタウンが開放しているのでゆめタウンの駐車場に行ってたんですけどこんなになっているとは思ってなかった」

山口市では、24時間で、観測史上最大となる289ミリの雨量を観測しました。

また、朝田地区では床上浸水が発生し、消防がボートを出して住民の救助にあたりました。

福満まい記者
「現場は、山口市のJR仁保津駅からおよそ200メートル離れた川です。川の中見てみますと、白い軽乗用車が沈んでいるのが見えます」

警察によりますとこの軽乗用車から男性1人が救助されましたが、その後、死亡が確認されました。

小郡上郷地区では住民らが片づけに追われていました。

床上浸水した美容室のオーナー
「気にかかってやれんじゃったですけど、まあなんとか大丈夫ならいいなと思って来たらこのとおりです。営業もちょっとできんでしょうね、いっとき」

美祢市では6月29日の降り始めからの雨量は389ミリに達し、平年の6月1か月の雨量を超えました。

原田暖子記者
「美祢市厚狭川沿いでは、トラックや乗用車など7台が動けなくなっています」

JR四郎ケ原駅付近では、トラックや乗用車など合わせて7台が冠水。

うち1台の運転手と連絡が取れなくなりました。

川に流された可能性もあり、捜索が続いていますが、発見には至っていません。

同じく降り始めからの雨量が平年の6月・1か月の雨量を超えた宇部市では。

住民
「夜中は乗用車が通れんかったんよ。大型のみ。それで、その波しぶきの波動でガラスが割れたっていう感じよね。結構、ここまで(水が)来ましたよ」

入り口のガラスは割れ、浸水により家具は流されていました。

「もう片付けしません。もうこのまんまにしておきます。このまんまにして、解体業者に解体させる。もう、ほんと代わってよ」


流された冷蔵庫の上には、隣人が持ってきた食事や飲み物が置かれていました。

県によると、県内の家屋の浸水被害は、少なくとも床上浸水が188棟、床下浸水が182棟。

6470戸で断水となりました。

また、今回の大雨でJR美祢線は橋りょうが倒壊するなどし、

山陰線でも線路のゆがみが確認されました。

JR美祢線の全線と、山陰線の一部区間では復旧のめどが立っていません。

山口県は、山口市と美祢市に障害物の撤去などの経費を国と県の負担とする災害救助法を適用することにしました。