“反乱後もプーチン氏の強固な支持基盤に揺るぎはない”

プリゴジン氏は、反乱を起こす前、国民の間で急速に支持を広げた。

ワグネルの関連グッズも販売され、最近では、“裏切り者の処刑”に使われるハンマーまでもが商品化されるほどに。

『最も信頼できる政治家』を尋ねたロシア独立系調査機関の調査では、初めて5位にランクインした。

ロシア 独立系世論調査機関『レバダ・センター』 レフ・グドゥコフ副所長
「プリゴジンが政府の汚職や無能さを非難したことは、国民の支持に繋がりました。それによって、彼がオープンで正直者で愛国者。そして、カリスマ性のあるリーダーとして評価されたのです」

一方、プーチン氏はプリゴジン氏の反乱を抑えたとアピール。
国民と親しげに触れ合って見せた。

ロシア 独立系世論調査機関『レバダ・センター』 レフ・グドゥコフ副所長
「自分こそが権力を持ち、状況をコントロールでき、信頼できるリーダーだと知らしめるためです。全てのネガティブな印象は、このような活動で打ち消されていくでしょう」

反乱後も、プーチン氏の強固な支持基盤に揺るぎはない、と語る若者がいる。

打倒プーチン政権を掲げ、活動してきた元大学生のミハイルさん(仮名・22歳)。

――来年は大統領選が行われるが、どう見ている?

元大学生の活動家 ミハイルさん(仮名)
「もちろん、プーチンが勝つでしょう。何の疑いもありません。投票には行きません。候補者はプーチン1人だけだし、投票する意味なんてありませんから」

ウクライナ侵攻が起きた当初から何度も抗議デモに参加してきたが、逮捕され、逃亡生活を続けるうちに新たな行動を起こす意欲を失ってしまった。

元大学生の活動家 ミハイルさん(仮名)
「“率先して動く者は罰せられる”というソ連の古い名言があります。沈黙して行動せず、間違いは犯すなということです。さもなければ逮捕され、刑務所に入れられ、場合によっては殺されます。私の友人も多くが投獄され、反体制派のリーダーたちは殺されました」