平地真菜 気象予報士:解説

29日午後5時前の雨雲の様子です。
点々と雨雲が発生しているのが確認できます。このような小さい雨雲が発生しているとき雲の下では土砂降り、雨雲が抜ければ雨が上がって曇り空に。
また次の雨雲がやってくれば雨が降るというお天気だったことがこの様子からも分かります。
菊野:
雨が降っているところと、降っていないところがはっきりわかるような『局地的な降り方』ということですね?
平地:
30日以降は、始めは『局地的な雨の降り方』なんですが、徐々に『広い範囲で雨』となりそうです。

30日午前9時の予想天気図です。
梅雨前線が長く伸びています。
前線上には低気圧が発生していて、東に進む予想です。
日本の南には高気圧があります。この高気圧の縁を回るようにして、暖かく湿った空気が流れ込む予想です。
また等圧線の間隔が狭いので、風も強くなりそうです。

菊野:29日も風が強かったですね?
平地:
30日も雨で傘を差す時には『風に煽られる』ような時間帯もあると思います。

この“湿った空気”が雲の素になりますので、風が強く、多くの空気が流れ込めば、それだけ雨雲も発達しやすくなります。

この前線が1日土曜日にかけて南に下がってきます。
梅雨の時期に『前線が南に下がってくる』際は“大雨をもたらす”ことが多くなります。
30日から1日にかけては、この前線による大雨に警戒してください。
雨雲の予想です。

30日の朝8時の段階で、ところどころ雨雲が発生しています。
海側に雨が予想されておらず、陸地になって急に出てくる時には、29日のような変わりやすい天気になると思ってください。



朝から雨が降っている状態が続き、午前11時頃には、活発な雨雲が本土にかかって来る予想です。





30日の午後にかけて活発な雨雲が南部や北部に予想されています。






さらに夕方5時以降から午後10時頃まで、活発な雨雲の位置があまり変わらない状態です。
菊野:ずっと雨雲がかかっている状態ですね?
平地:
29日よりもさらに強い雨が断続的に続きそうです。




日付が変わって7月1日午前1時~午前3時頃のタイミングが『大雨のピーク』となりそうです。滝のように降るところもある予想です。
夜の時間帯となりますので、避難される方は早めがいいと思います。
土砂災害の危険性がある地域にお住まいの方も、明るいうちに避難するように心がけてください。

予想される雨の量です。
30日夕方にかけて
多いところで、180mm。
1日夕方にかけては100mmから200mmと予想されています。
菊野:これが積み重なっていくということですよね?
平地:
そうなります。同じところで降れば単純計算で300mm近くになるところもあるかもしれません。
長崎のこの時期の雨の量が1ヶ月間が300ミリぐらいですから、それが1日~2日で降ってしまうということです。最大の備えを済ませるようにしてください。

また、今回は雨が長期間に続く恐れがあります。
予想されている大雨の警戒期間は、30日そして1日の土曜日の午前中まで。
その後、一旦、前線が九州の南に移動し、長崎からはやや離れていきます。
雨の降り方は少し弱まりますが、日曜日の午後から月曜日にかけては、また雨の降り方が強まると予想されています。
来週の週末まで雨が続きそうですから、気を緩めることができない天気となりそうです。
菊野:土壌に雨が溜まるという状況にもなりますよね?
平地:
雨の量としては30日から1日が一番多いと思うんですが、その水分が抜けないうちに、次の雨が予想されています。

こういった災害に注意してください──
「道路の冠水」
「低い土地の浸水」アンダーパスなどは浸水の恐れがあります。
「川の増水や氾濫」。
そして斜面地が多い長崎で一番多いのが「土砂災害」です。
強い雨が降ったあとに、時間差で災害が発生することもありますので、土砂災害発生の危険性が高い地域にお住まいの方は、早めに避難するようにしてください。