ホテルとして営業再開へ 療養した人から「宿泊にいきます」とコメントも

フラワーフェスティバルで4年ぶりにパレードが復活したこの日、ホテルでは新しいスタッフの研修も兼ねて出店の営業が行われました。

前日に入社し、さっそく研修に入ったのが、モロッコ出身のアブドさんです。

アブドさん
「アラビア語、フランス語、英語、日本語、スペイン語」

5か国語を話せるというアブドさん。5か月前に来日しました。モロッコでホテル勤務はあるそうですが、日本人と仕事をするのは初めてだそうです。初対面のスタッフは…

オリエンタルホテル広島 鵜飼正浩 宿泊支配人
「これから外国人の方も増えますし。そういった方に対応していただけることも期待してます。違う習慣や文化とか、今まで日本人だけでやってきたので、そこがどういう化学反応が起きるか。期待しながらもドキドキしますね」

オリエンタルホテル広島 上野裕二 総括支配人
「スタッフを全力で採用しているんですけど。今は当初の予定の約3割ぐらい。まだ全然、足りてない」

コロナ禍、観光業界では相次いで人材の見直しを実施。オリエンタルホテルでも130人いたスタッフが、休館中には30人まで減り、そのうち20人は沖縄や関西などの系列ホテルへ出向していました。辞めていった大半が違う業界へ転職したといいます。

「乾杯!」―。営業再開まであと20日と迫ったこの日。新たに仲間となった21人を招き、総勢51人で決起集会が開かれました。

オリエンタルホテル広島 引原史博 総支配人
「正直言うと、半分以上入れ替わっている状態。残念ながら退職された方も多くいる。逆にこうやって社員・アルバイトの方が本当にたくさん入社してくれて、感謝しかない」

調理部門のスタッフが腕によりをかけて作った料理が並び、食事や余興を通じて、新旧スタッフがコミュニケーションを図りました。

入社して1か月余りのアブドさんも、一緒に入社したベトナム人のフォンさんとすでに意気投合した様子でした。

営業再開まで10日を切り、この日は、宿泊と宴会研修です。コロナ禍前と比べ、セルフチェックインの窓口が増えました。しかし、ここでトラブル。事前登録したにも関わらず、うまく作動しません。1つひとつ修正しながら本番に備えます。

取引先およそ80人を招いての宴会ではスタッフ11人中、6人が初出勤。先輩に指導を受けながら準備が進められました。中にはこんな大学生バイトも…

大学生アルバイト 柴田寛正さん(宴会サービス担当)
「実家がお寺をやっているので、こういう接客は、お寺にお客さんがきたときや電話の対応に生かせると思い、このバイトを選びました」

新人スタッフも、手際よく動いてくれて、何とか無事に終えることができました。

上野裕二 総括支配人
「宴席が始まる15分前に5分間レクチャーしただけ。がんばってくれた。ありがとう」

これまでの居酒屋でのバイト経験を生かした柴田さんでした。

大学生アルバイト 柴田寛正 さん
「非日常を感じられ、非常に楽しい。これから精進したいと思います」

通常、洗い物は外注に出すそうですが、まずは自分たちで行います。

大学生アルバイト
― 家でも洗い物をしている?
「一人暮らしをしているので。手際がいいのかな!?」

初めての作業は、夜中11時まで続きました。

スタッフはひと息つく間もなく、翌朝は朝食の提供です。80席あるカフェでは、受付・案内・料理の補充・片付けを通常、3人で回すそうですが、研修を兼ねて倍の人数で対応しました。

生活支援スタッフの休憩の場となっていた日本料理店は、残念ながら閉店。1階のフレンチレストランも営業再開のめどが立っていません。

2年間の休館を経て、いよいよ、7月1日から営業を再開するオリエンタルホテル広島。コロナ療養した方から『営業が再開したら宿泊にいきます』とコメントも届いているそうです。まずは、宿泊と朝食・ランチの提供から再スタートします。