「自分がやるか!」
谷内さん「『水俣に製麺所がないの寂しいね』『水俣の麺、誰かつくらんといかん』というところで、(自分が)”やるか!”って」

水俣のソウルフードといえば『ちゃんぽん』。提供する店が多く、町おこしの一つになっています。しかし、地元にあった製麺所は高齢などを理由に廃業。存続を求める声も多かったことから、谷内さんが跡を継ぐことになりました。

谷内さん「持った時の”プルルン”とした感じが強く出る麺と、コシが強く香りが良い麺の、2つの特徴の粉を混ぜています」
ブレンドした2種類の小麦粉と塩をベースにしたシンプルな材料に「水」と『かんすい』を混ぜます。この『かんすい』がポイント。『かんすい』とは中華そばを作るときに欠かせないアルカリ性の水。これにより麺の柔らかさや弾力や増します。長崎の麺づくりでよく使われている『とうあくかんすい』をつなぎに使います。

谷内さん「かんすいの温度管理はすごく気を使うようにしています。卸す先のお店の好み、提供するスタイルも違う。できるだけ合わせようかなと思っています」
現在、水俣市内の4カ所に配達するだけでなく、全国20店舗にも卸しています。その自慢の手づくり麺で谷内さん自ら提供しているのが、大人気の「ちゃんぽん」です。

利用客「(麺も)程よい加減でいいと思います」
利用客「野菜もたっぷり入っていて、スープも結構おいしいです」
豚骨と鶏がらを2日間にわたって煮込んだ白湯(ぱいたん)スープは中太麺に相性抜群です。そこに薄口しょうゆと背油が入った秘伝のタレでコクが深まります。

麺の上に載る具材はできるだけ地元のものを使い、とにかく量がたっぷりです。 そのおいしさをより広く味わってほしいと商品に想いを詰め込みました。

それが「まん麺 みなまたちゃんぽん」。
『満面(まんめん)の笑みになってほしい』という思いで名づけました。
谷内さん「作りたてがやっぱりいいので、作りたての麺をそのまま真空して発送しています。出来たてに近い状態で食べてもらいたいので」
箱のなかには作りたての麺や肉、カットした野菜、かまぼこも真空包装。

谷内さん「コロナ禍で始めたので。買いに行かなくても、冷蔵庫に入っている箱開けたらすぐ作れるよって、主婦の方や子育て中のお母さんたちがすごく喜ばれるかなと」

作り方は簡単、炒めた具材にスープを投入。そこにあらかじめ茹でた麺を加えて、少し煮込めば完成。
谷内さん「"まん麺"で家族の笑顔の時間を提供できたらすてきだなと」
そう語る谷内さんも笑顔でした。
