ロシアによるウクライナ侵攻開始から3か月。出兵を拒むロシア兵が増えているという。相談に乗る弁護士が報道特集の取材に応じ、その実情を語った。

■「私は砲弾の餌食になりたくありません」ロシア軍兵士の悲痛な叫び


ロシア南西部の街で弁護士をしているミハイル・ベニヤシュさん。家宅捜索を受けるなど、政府から弾圧を受けながらも、ロシア兵の支援活動をしている。

家宅捜索の様子(今年3月)


3月下旬以降、特に30歳以下の若いロシア兵からの相談が急増したという。

ーー何人くらいから相談を受けていますか?

ミハイル・ベニヤシュ弁護士
「200人ぐらいです。直近では昨日でした。ウクライナに行くのを拒否するとどうなるのか。法律上はどうなっているのかという問い合わせが多いです。出兵を拒否する文書の書き方についての問い合わせも多いです」

ウクライナ側が公表したロシア兵が書いたとする文書


ウクライナ側が公表した、ロシア兵が書いたとする文書。この文書を部隊の司令官に提出することで、出兵を拒否できるという。文書には、悲痛な心の叫びが並ぶ。

「指揮管理がなっておらず、通信手段や物資がないため、再び戦地に行けないと考えていることをこの書面をもって報告します。私は砲弾の餌食になりたくありません」


「戦闘が行われている地域に出兵することを拒否します。私は家族の世帯主であり、妻が妊娠しているためです」

だが、兵士たちを躊躇させているのが、出兵を拒んだ際の罰則だ。

ミハイル・ベニヤシュ弁護士
“15年以下の懲役になる”と司令官に脅かされるので、兵士たちは困惑しています。人を殺したくないし殺されたくもありません。刑務所にも行きたくありません」
実際には刑事責任は3年以下の自由刑(懲役・禁固・拘留)です。法律上、初めてこの罪を犯した人は刑務所には入らないで、別の罰則が与えられます。兵士たちは法律を知ることで、少し落ち着くようです。」

侵攻開始から3か月。出兵を拒否するロシア兵が増えた理由について・・・


ミハイル・ベニヤシュ弁護士
「ロシア政府はなぜ軍事作戦が必要なのか、国民を説得できなかったからです。プロパガンダにはドーピングのような効果があります。しかし、最後に効き目は消えて、酔いがさめます。そして、今は酔いがさめた人がどんどん増えています。それは軍人だけではなく、ロシアの国民も同じです


(報道特集 5月28日放送)
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