最後に保護者・先生たちも一緒に記念撮影に収まった大崎海星高校ですが、島の少子高齢化で生徒数が減り、2014年の県教育委員会の方針で廃校などの対象となる80人を切った年度もありました。

県立大崎海星高校 前田秀幸 校長
「2年連続で全生徒が80名を下回れば、統廃合の対象となるということが決められていましたので」
30人収容できる寮を整備するなど大崎上島町の支援もあり、現在、全校生徒は97人。北海道から鹿児島まで3分の1以上は県外からの生徒だそうです。

県立大崎海星高校 前田秀幸 校長
「生徒と地域をつなげていくということが大切。その中で総合的な探求の時間『大崎上島学』といいますけど、それを充実させていった。地域の方には助けられています」

櫂伝馬の伝承も地域とのつながりに大きな役割を担っています。
1年生(大阪出身)
「大崎海星高校の魅力は、こういう櫂伝馬の伝統行事だったり、生徒がやりたいことを生徒から進んで行動できるところ」

1年生(大崎上島出身)
「櫂伝馬は大人になっても死ぬまでやっていきたいと思います」

「旅する櫂伝馬」実行委員会 藤原啓志 会長
「県外の高校生も海星高校に来てくれたから櫂伝馬を体験できたと思う。だから卒業しても、夏になったら櫂伝馬のことを思い出して、上島に帰ってきてほしいなと思います」
最後に地元・大崎上島出身の生徒会長に櫂伝馬の魅力について聞いてみました。
大崎海星高校 道林海斗 生徒会長
「今までコロナとかで櫂伝馬だけじゃなくて、いろんな行事が中止されてきたのですけど、最後の年に大きなイベント、旅する櫂伝馬で宮島に行くことができて、最高ですね。地域の人との絆が深まったり、クラスの中で絆が深まったりというのがあるので、櫂伝馬は大崎上島の宝物ではないかと思っています」
