両目を負傷した若者も タイとの国境近くの施設を取材
ミャンマーとタイの国境近く、場所を明かさないという条件でウェヤンくんが保護されている施設の取材が許されました。

ウェヤンくんは去年、軍の空爆で足を負傷しました。支援者の助けで手術を受け、現在リハビリ中です。
アウンカくんの弟・ウェヤンくん
「最初に攻撃を肩に受け、痛みを感じました。来た道を戻ろうとしましたが立ち上がれず、骨折していることが分かりました。(軍に)捕まったら殺される、と恐怖を感じました」
この施設にはウェヤンくん以外にも、けがをした国民防衛隊の若者、数名が暮らしています。

国民防衛隊の男性
「砲弾の破片で負傷しました。腕や指、目やお腹にも。納得がいきません。戻って復讐したいです」
国民防衛隊の男性
「前線にいて地雷で両目を負傷しました。片方は義眼です。もう片方の目は手術を受け見えるようになりました。大変ですが、何とか暮らしています」
この取材の前日、リハビリに励むウェヤンくんのもとに、ある連絡が入りました。兄・アウンカくんが戦場で大けがをしたといいます。

ウェヤンくん
「『前線に行く』と兄が言ってきたので、『気を付けてね』と言いました。夜『大丈夫?』と聞いたら、朝になって『足を負傷した』と返事があり、写真が送られてきました。心配しています、兄なので。兄弟で支えあわないといけないときに、離ればなれになっているので、辛いです」
アウンカくんは、あの誕生日の取材から1か月後、戦場に向かい大きな爆発に遭遇しました。

足に大けがをしたものの、命は無事でした。兄、そして自らが傷ついてもウェヤンくんは「また戦場に戻りたい」と話します。
ウェヤンくん
「足をなくした人や、命を落とした人もいるのに、これぐらいの怪我でくよくよしていられません。彼らの分まで頑張らないといけないので、戦い続けます。軍に勝つまでです。兄とも約束しました。勝って一緒に家に帰ろうと」