約30年ぶり 再発見された要因は何か

ツチフキが約30年ぶりに生息していることが、今回、滋賀県立琵琶湖博物館とおおさか環農水研生物多様性センターの共同調査で確認された。大阪で確認されたばかりではなく、京都の鴨川でも、先月京都大学の調査で38年ぶりにツチフキが確認されたことが論文発表されている。再びツチフキが確認できた要因は不明とされているが、今回の発見に関わった生物多様性センターの山本義彦さんは2つの要因を指摘する。
〇保全活動 1つ目の要因は在来種を中心とした生態系の保全活動だ。淀川、そして琵琶湖でも、侵略的外来生物のオオクチバス、ブルーギルの駆除活動は、長年にわたり継続し、その捕獲数が以前より落ち着いて来ている。琵琶湖については一時の爆発的増加に比べると、まだまだ数は居るものの総捕獲数では減って来ている傾向にある。捕食者の減少が、ツチフキにとって良い環境を作っているのだと言えるのかもしれない。
〇実は異常気象も? もう1つの要因は最近の「異常気象」だという。日本各地でも水害がまた増えてきた。いわゆるゲリラ豪雨と言われる、短時間に大雨が降り、淀川なども水量が急激に増える、ということが頻繁に起こっているように思える。山本さんは、「増水による攪乱を繰り返すことがツチフキらにとって、住み良い環境になってきているのではないか」とも指摘しているのだ。