希少で"幻の高級魚"とも呼ばれるシロアマダイ。山口県水産研究センターは全国で初めて養殖したシロアマダイから稚魚を大量生産することに成功しました。

県水産研究センターは2017年から「シロアマダイ」の稚魚の生産に取り組んでいます。2019年には天然のシロアマダイから採卵し、稚魚の生産に成功しました。しかし、シロアマダイはもともと漁獲量が少なく、去年1年間に県内ではわずか数百匹程度でした。天然物から採卵し、育てるだけでは漁獲量を十分に増やすことができないと見込まれていて、養殖ものから採卵して育てることが漁獲量を増やすためには必要とされていました。センターでは2020年にふ化させた稚魚を養殖し、3年かけて成魚に育てることに成功。今年春、養殖シロアマダイ6匹から96万個を採卵し、8万匹を稚魚にまで育てました。全国で初めての成功です。

県水産研究センター 阿武遼吾 専門研究員
「卵が今回初めて取れて、そこからふ化まで48時間ずっとこの卵と生活してきまして、今回結構種苗が順調に育ってきているので次には天然海に放流して育ってもらって取れるという所を目指して技術確立していきたいなと思っています」
稚魚は7月、日本海と瀬戸内海に放流されます。