今中康昭さん
「ここに大きな盛り土があるんですね。でも、マップに描かれていないんですよ、ここから上のことが。実際は、これが崩れたら大変なことになるんですよ。ここをハザードマップに加えたいということで、町内会で議論があってスタートした」

安佐動物公園の南東側にあるおよそ1ヘクタールの盛り土は、今は植林されていて、上空から見ると、盛り土とはわかりにくい状態ですが、県によりますと、今から25年ほど前に造成されたということです。

下流に砂防堰堤はあるものの、これは川沿いの小規模な崩落を止めるためのもので、盛り土の土を抑える規模ではありません。

2年前の熱海市での大規模土石流により、今中さんの危機感は増したといいます。

今中康昭 さん
「熱海の問題からいうと、2キロ下流まで流れとるんですよね。熱海でいうと、ここらまで来るんですよ。家がたくさんあるんですから。700~800世帯もあるんですよ」

おととしの総点検で「不適切」とされた20か所の盛り土ー。ここもその1つでした。

広島県 農林水産局森林保全課 小笠原貞夫 治山担当監
「令和3年10月22日に広島市と連携して、現地において目視による点検を行いました。一部、小規模なのり面侵食などを確認いたしました。ごく少量なんですが、コンクリートのがれきが発見されました」

県は、その後、ほとんどの盛り土で雨の季節に備えた処置をとったとしていますが、この盛り土については処置をしていません。それどころか、正確な現状把握もできていません。

広島県 農林水産局森林保全課 小笠原貞夫 治山担当監
「総点検をしたのちに所有者と思われる方に対しまして、こののり面の復旧などについて依頼をさせていただきました」

ところが、相手からは「所有者ではない」と主張されたそうです。