◆移植患者の知覚神経が回復

3Dプリンターで作られた血管や神経は患者自身の細胞を使っているため、拒絶反応が起きにくいというメリットがあります。京都大学医学部附属病院では、サイフューズが3Dプリンターで作ったチューブ状の「神経導管」を、指の神経を損傷した患者3人に移植する臨床試験を実施。1年間経過を観察した結果、3人とも手の知覚神経が回復し仕事に復帰することができました。
京都大学医学部附属病院リハビリテーション科 池口良輔准教授「今回は神経ですけど、障害を受けたり欠損したり、ゆくゆくは自分の細胞からなくなったものを作れるとなれば、患者にとっては生きがいが出ることですし、すごく夢のある治療法。太い神経の欠損など諦めざるを得なかった部分もあったが、ゆくゆくは応用が効くのではないか」
◆天神から世界へ“再生医療”

天神ビジネスセンターを手がけた企業も期待を寄せています。
福岡地所 井上聡企画部長「オフィスの可能性を広げることができた。意外性のあるテナントが多くなることで、福岡の価値がもっとあがっていくと思う」
天神のオフィス街から世界に向けて再生医療の研究を進めていきます。

サイフューズ 秋枝静香代表「臓器という生もの、生き物を運びますので、アクセス至便なところにラボ(研究所)を構えたかった。手作業で臓器を作るというのはなかなか難しいですが、私たちのように細胞版の3Dプリンターを使って臓器を作るということを少しずつ知って頂いて、実際の治療につながっていけばと思っています。福岡の中心地からアジア、アメリカ、ヨーロッパ、世界に展開していきたいと考えています」
サイフューズは、2025年ごろの実用化を目指しているということです。