「親としても心が削られる」痛い水ぶくれに針を刺す作業

朝は、航大君の全身ケアから始まります。母親の陽子さんは看護師で、早い時間に出勤するため、朝のチェックは主に父親の裕翼さんの役割です。航大君が寝ている間、無意識に顔や手足をかいてしまうため、朝はいつも全身に水ぶくれやただれができています。水ぶくれが大きくならないよう、一つ一つ針で潰す作業も欠かせません。
(航大君の父・廣田裕翼さん)
「痛みが一番かわいそうなんですけどね。痛い所にまた針を刺して、痛い思いをさせるという行為をしなきゃいけないので、親としても心が削られる」
潰した後は、感染症を起こさないよう、抗菌剤やかゆみ止め、保湿剤などを塗布して、肌に貼り付かない特殊なガーゼで覆います。この作業に、1時間ほどかかるそう。その後、航大君を自転車で保育園に送ります。
裕翼さんは、航大君が生まれてからエンジニアの仕事を退職。一旦、専業主夫になりました。最近、再び自宅の近くで働き始めましたが、今も息子のケアが生活の中心です。
(航大君の父・廣田裕翼さん)
「2~3時間は集中して(ガーゼを)切っていると思います。(あらかじめ)線を引いてから切ったりするので、けっこう時間がかかっています」