治療法確立はまだ道半ば 「持ち前の明るさで乗り越えて…」

患者の数が極めて少ないため、治療法の研究がなかなか進まない「表皮水疱症」。廣田さん一家は月に一度、東京の東邦大学医療センター大森病院に通って、診察や自宅でのケアのアドバイスを受けています。

(東邦大学医療センター大森病院・石河晃教授)
「原因が遺伝子の異常なので、根本的に治すことができれば根治ができる。ただし、遺伝子の異常のところだけを抜き取ってちゃんと治す技術が、現在ではまだ難しい」

「表皮水疱症」を研究している石河教授は、遺伝子治療が可能になるまで繋ぎとして、健康な人の細胞を移植し、丈夫な皮膚を作る治療の実用化を目指していますが、今は治験段階です。

(東邦大学医療センター大森病院・石河晃教授)
「痛くない丈夫な皮膚を常に持っているというのは、(皮膚が)正常な人にとっては当たり前なんですけれども、この病気(表皮水疱症)の子どもにとってはものすごく大きなこと」

今後、成長過程でさまざまな偏見や差別も心配ですが、両親は持ち前の明るさで乗り越えてほしいと願っています。

(航大君の父・廣田裕翼さん)
「これからいろいろなことに、いろいろな人に出会っていくけど、負けないでね。僕らがけっこう年を取ってからの子だから、この子が1人で生活する時間のほうが絶対長いので。いっぱい友達を作って、清らかに…生きていってほしい」

将来の夢はピアノの先生だと、笑顔で答えた航大君。困難と向き合いながら、今日も笑顔で過ごしています。

CBCテレビ「チャント!」6月12日放送より