医療が発達した現在でも、発症原因がわからないものや、治療法が確立されていない病気が多く存在しています。国が難病として指定している「表皮水疱症」もその一つです。生まれながらに「表皮水疱症」を患い、過酷な毎日を過ごす4歳の男の子と、その家族の日常に密着しました。

24時間我慢し続ける毎日…。全国にわずか約1000人の難病「表皮水疱症」

東京都小平市に住む廣田航大(ひろた こうだい)君。先天性の「表皮水疱症」で生まれ、生後100日のお食い初めも新生児集中治療室で祝うなど、病院で過ごす日々を送ってきました。現在、4歳となり自宅で生活しています。

「表皮水疱症」は、皮膚の構成に必要なタンパク質の異常が原因で、わずかな刺激や摩擦で、全身に水疱やただれが生じる病です。水ぶくれは、顔や手足といった皮膚だけでなく、口内にも。患者数は全国で約1000人と極めて稀な病気で、今のところ治療法はありません。

(航大君の両親)
「(Q表皮水疱症を知っていた?)航大が生まれる前までは、知らない病気でした」

皮膚に何かが触れるたびに、猛烈なかゆみに襲われます。かいた部分がただれてひどい傷になるため、24時間我慢をし続ける毎日。それでも、いつも笑顔を絶やさない航大君の明るさに、両親も救われています。

(航大君の父・廣田裕翼(ゆうすけ)さん)
「本当に、もう歩けないだろうと想定していろいろと考えていたので、こんなに元気に歩いて話して、こんなに笑ってくれていて、全然想像していなかった。こんなに元気に育ってくれているだけでも救いで、うれしいことです」