外国人観光客の受け入れ再開に向け、実証実験がはじまりました。
インバウンド復活に期待の声が広がっていますが、受け入れにあたって「外国人はマスクをなかなかしてくれない」と戸惑う人も・・・。専門家からは「変異株が海外から持ち込まれる可能性がある」と懸念する声も上がっています。


■コロナ禍で訪日観光“解禁”に期待

都内にある忍者をテーマにしたレストラン『NINJA TOKYO』。忍者に扮したスタッフの案内で店内を進むと、滝や手裏剣、小判などがちりばめられた怪しい世界が広がります。コンセプトは、「忍者の隠れ里」だそうです。

インドネシアからビジネスで来日した女性は…

来日中の女性
「素晴らしい経験でした。とても気に入りました。とてもいい経験でした」

趣向を凝らした演出が外国人に人気のこの店ですが、今コロナ禍で苦戦を強いられています。

NINJA TOKYO担当者
「2019年5月23日の予約台帳です。我々27部屋もっていて、客数でいうとご予約の段階で136名様のご予約をいただいた。25日の現時点でのご予約は、5組で16名様のご予約」

最近はビジネス客が少しずつ増えていると言いますが、厳しい状況に変わりはありません。
店の担当者が期待しているのが訪日観光“解禁”に向けた動きです。

NINJA TOKYO担当者
「1日も早く観光客の方が、色々制限があるにしても、自由に入国できるようなそんな日が早く戻ってきてくれたらと願うだけ」

■外国人観光客受け入れへ実験


25日、栃木県内では外国人観光客の受け入れ再開に向けた実証事業が行われました。美しい広大な竹林が広がる宇都宮市の若竹の杜に現れたのは、ハワイの旅行業関係者です。日本の感染対策については…

実証事業の参加者
「レストランではモニターで毎回ピっと検温するし、感染対策がすばらしい」

同行する添乗員は、体温計や抗原検査キットを常備しているといいます。

添乗員
「気をつけないといけないのは、食事中のおしゃべり。やはり楽しいので。そういうときに心を鬼にして注意をするようにはしている」

日光市では、コロナ前に年間約12万人いた外国人宿泊客がおととし・去年と激減。旅館などは、今回の訪日観光“解禁”に向けた動きに期待しています。

タートル・イン・日光 福田金也オーナー
「ようやくという感じ。待ちに待ったという感じです」

一方で課題となるのが、外国人客に向けた感染対策の難しさです。

タートル・イン・日光 福田金也オーナー
「(外国人客は)マスクをなかなかしてくれない。これが一番悩みの種ですね。『(マスクを)してください』というお願いをしたり、持っていない方には手渡しをしたりと」

今回の実証事業では、外国人客がマスクの着用や手指の消毒を適切にできているかなども確認する予定です。

実証事業の参加者
「日本政府は私たちにチャンスを与えて欲しい。みんな日本が好きだから」
「たくさん買い物をしたい。ハワイの人は買い物が大好き。この日本でたくさんのお金を使いたい」

政府は実証事業の結果などを踏まえ、本格的な受け入れ再開について検討するとしています。

ただ、こうした外国人観光客の受け入れ再開の動きに懸念の声も。