■免振構造の高層マンション 壊れはしないが油断は禁物


都内では、この10年で高層マンションが4割増えました。

規模の大きな地震が発生すると、周期の長いゆっくりとした揺れが生じます。長周期地震動です。

低い建物に比べ、高い建物の方が影響を受けやすく、2011年の東日本大震災では、都内の高層ビルが左右に大きく揺れました。

この10年で免震構造の建物も増えましたが、専門家は油断は禁物だと指摘します。

「油断は禁物」と指摘


東京都立大学 中林一樹名誉教授
「タワーマンションも含めて、地震のときには壊れはしないけれど揺れるんだということと、その揺れに伴って、エレベーターは止まってしまう、ガスや電気、水道などの配管も弱くて切れてしまう可能性がある」

■地震で停電 エレベーターも停止…タワーマンションの備えは?


約2500人が暮らす東京・港区にある48階建てのタワーマンション。地震発生後、停電などでエレベーターが使えなくなることが想定されます。

タワーマンションでは停電でエレベーターが止まる


大人が1日に必要な3リットルの水が入ったペットボトルを持って、記者が階段を上ります。目指すは48階。内階段には空調はなく、真夏であれば、さらに体力を奪います。

48階まで階段で・・・


記者
「最上階の48階に着きました。めっちゃしんどい。かなりきついです。ちょっと・・・喋れない、ですね」

地上と往復が困難になることから、管理組合では、在宅で一定期間避難できるよう対策を進めています。

マンションの備蓄品


芝浦アイランドケープタワー・防災チームメンバー
「安否確認のためのマグネットを管理組合が作って、各住戸に配布しています。助けてほしい場合、【HELP たすけて】と書かれたマグネットをドアに貼っておきます。この階の住人がマンションの本部に連絡する」

安否確認のためのマグネット


けが人を階段で運ぶためのストレッチャーも用意しています。

ストレッチャーも用意


都の被害想定では、停電によって空調が使用できず、熱中症や脱水状態になったり、冬であれば、寒さで体調を崩したりする可能性も示されています。