自衛隊で受けた性被害を実名で訴えてきた五ノ井里奈さん。14日に元隊員と国に対し損害賠償を求めた裁判が始まりました。去年、五ノ井さんに直接謝罪していた元自衛官4人は一転、争う姿勢を示しました。

「謝罪は本当に形だけだったんだな」 元隊員4人は争う姿勢

6月14日、裁判を控え、元陸上自衛官の五ノ井さん(23)は緊張した面持ちでした。

元陸上自衛官 五ノ井里奈さん
「まだ自分の人生、止まっているなという感じなので、しっかり法廷で結果を出せればいいかなと」

裁判のあと、会見を開いた五ノ井さん。悔しさをにじませました。

元陸上自衛官 五ノ井さん
「言葉に言い表せないくらい悲しい気持ち、悔しさ、怒りとかいろいろな気持ちがあった。あの謝罪は本当に形だけだったんだなと」

元陸上自衛官の五ノ井里奈さん。任務中、男性隊員らに性被害を受け、退職を余儀なくされました。

その後、実名で被害を訴えてきました。

防衛省(2022年9月)
「大変申し訳ございませんでした」

五ノ井さんが退職して約3か月後、ようやく防衛省が事実関係を認め、謝罪。加害者5人を懲戒免職処分にしました。

2022年10月、5人のうち4人が五ノ井さんと面会し、直接謝罪しました。

しかし、五ノ井さんは2023年1月、元隊員の5人や国に対し、750万円の損害賠償を求める裁判に踏み切ります。

その理由についてこう語りました。

元陸上自衛官 五ノ井さん(2023年1月)
「やっぱり相手側の弁護士の言葉ですよね。『迷惑をかけた』とか、そういう軽い受け止め方が自分としてはあり得ないなと思いました」