13日、岸田総理は児童手当の支給対象拡大や所得制限の撤廃などを、来年10月から実施すると表明しました。総理の話を聞いた非正規で働く人からは「子どもを作って、親としての責任が果たせるのか不安」といった声も聞かれました。
児童手当の拡充「2024年10月から」 所得制限の撤廃など
午後6時半すぎ、総理の声に耳をすます男性。
喜入友浩キャスター
「会見を聞いて、子どもを持ちたいと思いますか?」
池畑裕一さん
「今言っていることが実際どのくらい現実になるのか…。今言っていることって今わかったことじゃなくて、ずっと前からやっていれば良かった話じゃないですか」
神奈川県に暮らす池畑裕一さん(36)。彼女の美花さん(30)と同棲して3年目になります。子どもを持つイメージが湧かないと話します。
池畑裕一さん
「(子どもを)持てたらいいなという感覚はあるけど、イメージが湧かない。これから全ての物の値段(が上がり)給料も上がるかわからない状態で、子どもをつくって親としての責任を果たせるのかはすごく不安」

そんな不安を少しでも払拭させることができるのでしょうか?
岸田総理
「先送りできない待ったなしの課題である。2030年代に入るまでが少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンスです」
「異次元の少子化対策」を掲げる岸田総理は13日夜、「こども未来戦略方針」を発表。
岸田総理
「構造的な賃上げや労働市場改革とセットで、少子化対策の中においても、経済的支援に重点をおいて抜本的に強化いたします」

児童手当の対象を現在の「中学生まで」から「高校生まで」に延長し、所得制限を撤廃。2024年10月から実施すると表明しました。
配送ドライバーとして働く池畑さんは個人事業主。配達は夜7時半ごろまで続きます。
池畑裕一さん
「僕も正社員じゃなくて、個人事業主で仕事を委託してもらっている立場。『来月から池畑さん来なくていいですよ』っていうのが普通にあり得る。いまの状態がどうなるか分からない」
彼女の美花さんも非正規で働いています。フリーランスは労働基準法で保護されず、雇用保険も適用されません。池畑さんは「結婚や出産に至らない人たちへの施策も必要」と訴えます。

池畑裕一さん
「子どもと他のものを比べるのはあれですけど、車持っていてちょっと収入下がったから車売ってグレードの低い車に乗ろうとか、他のものだったらできると思う。家賃だったらもっと安いとこに住もうとか。でも子どもとか動物って出来ないじゃないすか。ちょっと育てるの無理になっちゃったってできないじゃないですか。いまの貯蓄・経済状況とかを見たときに、不安というか恐怖がある」
