“ゼロゼロ融資”返済のピークが近づく中で…

『実質無利子、無担保』で借りることができたゼロゼロ融資。

民間の金融機関の場合、最大で6000万円まで借りることができ、利子は3年分を県が負担します。また、万が一返済ができなくなった場合は、県信用保証協会が肩代わりするというものです。

県信用保証協会が保証した分のゼロゼロ融資で、返済が始まる企業の数です。6月から1000を越える企業の返済が始まっていて、7月になると2000近くとなり、ピークを迎えます。5月末時点でまだ返済が終わっていない県内企業の保証債務残高は、3106億円あります。

長岡大学 栗井英大教授

これだけ多くの事業者がゼロゼロ融資を利用したことについて、経済を専門とする長岡大学の栗井英大教授は、こう指摘します。

【長岡大学 栗井英大 教授】
「新型コロナウイルスの影響を受けた宿泊業とか飲食業というのは、急激に売上高が落ちてしまったと。無利子で、しかも無担保で融資を受けることができるというのは、借りる企業にとっては非常に良い条件ということになるので、これを利用した企業が多かったのでは」

こうしたゼロゼロ融資の効果もあって、ここ3年間、新潟県内の企業の倒産数はウイルス禍前と比べて少なく抑えられていました。

ただ、東京商工リサーチ新潟支店によりますと、副作用として過剰な債務をもたらし「息切れ倒産」に繋がっている企業もあり、ゼロゼロ融資を利用した企業の倒産は全国で9か月連続で40件を越えています。

また去年12月に県内企業を対象に行ったアンケート調査では回答した139社のうち、およそ半数がゼロゼロ融資を活用と回答。このうち7%が「返済を猶予してもらっている」と回答していて、30%が「返済に懸念がある」と回答しています。

栗井教授は、「この先、返済がピークを迎えることで、倒産する事業者がさらに増えるのでは」とみています。

長岡大学 栗井英大教授

【長岡大学 栗井英大 教授】
「最近では物価高もあるし、電気代等もあがっている中で、次第にこのゼロゼロ融資の返済が始まるということに伴って、事業継続を断念するという企業も次第に増えていく可能性はある」