みどりさん(仮名)
「広島の人が、東京のパレードだったら楽しんで歩けるのに、地元だったら歩けないのは当事者だけの問題じゃないのかな」
なおさん(仮名)
「ふだん生活している中でLGBTQへの理解度が低いのを感じて参加しにくいのかな」

「規模は小さくても、広島の大きな一歩にしたい」―。演出のダンスも念入りに練習し、本番を迎えました。当日は性的マイノリティの当事者やパレードの趣旨に協賛した企業の社員など、想定より多い60人が音楽に合わせて平和大通りを進みました。

みどりさん(仮名)
「はじめは恥ずかしいと思っていたんだけど、消し飛んじゃいました。周りの人が手を振ってくれたり、それがうれしくて」
参加の当事者
「他県で開催されているものは過去にも参加したことがあるので、広島でできて、うれしいなってめっちゃ思います」
日本で最初にレインボーパレードが開催されたのは、実は1994年にまでさかのぼります。その後、東京では何度も開催されたほか、中四国では岡山県や山口県ですでに開催の実績があります。

広島では、2020年のフラワーフェスティバルで初めてパレードをする予定でしたが、新型コロナの影響で中止に…。今回が念願の開催となりました。平和公園までの1.2キロの沿道で当事者のアピールに手を振って応える人が途絶えることはありませんでした。
みどりさん(仮名)
「楽しかったです。みんなが応援してくれている感じがしてうれしかったです」
なおさん(仮名)
「第一歩だからね。よかったと思います。次にどんどんつながっていけたら」
参加の当事者
「第一歩がすごくうれしくて。ゼロから1がいちばんたいへんだし、いちばん大事だと思う。実際歩けて、『ここにおるよ』って、いちばんわかりやすい形だと思うので、そういうのを示したりとか、それに快く楽しく一緒に手を振ってくださる方がいたのはすごくいい日だったなって」
最初の一歩としては手ごたえをつかめました。

広島県セクシュアルマイノリティ協会 野元恵水 さん
「締め切り間近になると、どかどかっと参加応募の申し込みがありましたし、あとはアライ(理解者)の方も積極的に参加していただいて、本当に多様性に富んだグループになったなと思ってうれしく思っています。違うってことは怖いかもしれないけど、決して間違いじゃないんだよということをお互いに認め合えるような街になっていけたらいいなと思っています」
「誰もがありのままの自分らしく居られる街へ」―。少しずつ進んでいきます。