新型コロナウイルスが5類に移行してから約1か月。今、子ども達の間で様々な感染症が急増しています。いとう王子神谷内科外科クリニックの伊藤博道医師に、同時流行の原因と対策を聞きました。

「RS」「ヘルパンギーナ」「インフルエンザ」季節外れの感染症が流行


子どもの“風邪”が急増しています。国立感染症研究所の資料によると、秋から冬にかけて流行すると言われている「RSウイルス」、通常夏に流行する「ヘルパンギーナ」が、共にコロナの5類移行前と比べて2倍以上に増加。

さらに、冬に流行するイメージの「インフルエンザ」。
厚労省によると、5月下旬のインフルエンザの患者数は7975人。流行した2013年よりはるかに多い数字となっています。インフルエンザの流行の目安は、1週間の患者数が1医療機関あたり「1人」となっていますが、5月下旬は「1.62人」。この時期に流行の目安を超えているのは10年ぶりです。インフルエンザによる休校・学級閉鎖などは全国で325か所(5月22日~28日)に上っています。

いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道院長は、
「5、6月に毎日患者が何人も出るというのは想定していなかった。検査キットを使い切ってしまうこともある。」と話しています。

いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道院長:
インフルエンザやコロナも増えていますし、その他ヘルパンギーナや名前の知られていない風邪が流行っているので、毎日てんてこ舞いです。

恵俊彰:
例えば溶連菌とか、(原因が)分かることによって抗生物質が限られていますから、いろいろなことを調べていかなきゃいけない。時間がかかる作業なんじゃないですか?

伊藤院長:
はい。やっぱり調べるにも限度があって、例えば5種類、6種類を全部調べるというわけにもいきません。ある程度コロナやインフルエンザをルールアウト(除外診療)して、あとは臨床診断ですね。細菌性かウイルス性かを判断して、抗生物質を使うか使わないかを判断して、もう実際は‟疾患群”として治療を行っていくことになると思います。

恵俊彰:
熱が出て何が原因か、今はいろいろな可能性があるんですね。

弁護士 八代英輝:
親御さんも併発してる可能性もありますし、いろいろ検査もしてもらいたいですけど検査キットも不足しているという状況なんでしょうね。