進化続けるAI将棋 “活用”と求められる“不正対策”

喜入友浩キャスター:
AIと将棋について、専門家に聞いてみると…

将棋ライターの松本博文さん
「トップクラスも若手の学生も、AIソフトを使って腕を磨くのは今や当たり前」

藤井聡太7冠も、将棋のソフトを活用して研究を重ねているそうです。

“AI同士”が対局する「世界コンピューター将棋選手権」という30回を超える歴史がある大会もあり、今は「dlshogi with HEROZ」という日本のソフトが最強だそうです。

小川彩佳キャスター:
喜入キャスターもアマチュア2段に勝ってしまいましたし、もうAIソフトを使って腕を磨くことが当たり前になっている時代に、名人を最年少で獲得した藤井7冠はどうなってるんだと思いますね。

データサイエンティスト 宮田裕章さん:
当初から藤井さんはAIを使って学ぶスタイルが際立っていると言われているので、AIを使うことが前提になる中で、“どう使うか”といったところにこれからセンスが問われてくるのではないかと思いますね。

喜入キャスター:
今はAIが人間を凌駕しています。昔は人間が最善手をAIソフトに教え込んでいたんですけれども、2017年にはAIソフトが当時の名人に勝利するなどAIが上回って、今度は人間がAIから教わっているということになっています。

小川キャスター:
AIと戦うのではなく学ぶという動きは、将棋のみならずですよね。

データサイエンティスト 宮田裕章さん:
将棋や碁に関してはもう「AI対人間」は成り立たないですよね。翻って現実を見てみると、AIで能力を拡張して何かをしていくことになってくるので。今後もしかしたら身一つだけではなくて、AIも含めた総合力で競っていくという競技も出てくるのではないかと思いますね。

喜入キャスター:
ただ不正はいけません。対策もありまして、日本将棋連盟は▼電子機器はロッカーに預ける▼対局中の使用禁止などといった対策をしています。

小川キャスター:
今回はわかりやすい形で不正があったわけですけれども、今後技術が進化していくと対策も難しくなっていきますよね?

データサイエンティスト 宮田裕章さん:
スマートフォンだけじゃなくいろいろなウェラブルデバイスが発達していく中で、身体に溶け込むようなものが出てくると見つけにくくなるんですよね。
身一つで競うのも競技のすごく大事なところなので、そういった公正なルールは今後もすごく大事になるんじゃないかなと思いますね。