戸籍に「フリガナ」なし 公金口座との照合は不可能

マイナンバーカードは氏名(漢字)・生年月日などを登録し、「フリガナ」の登録はありませんが、銀行口座の名義の照合は‟カタカナ”。
だから、ひも付けした「公金受け取り口座」と「マイナンバーカード」の照合は、システム上不可能なのです。
戸籍謄本にも、「フリガナ」の記載はありません。
日本政策総研の若生幸也理事長によると、フリガナは公的なデータではなく、国は把握していないということです。

日本政策総研理事長 若生幸也氏:
国は「フリガナ」を持っていない。口座はカタカナで登録していますので、そこがひも付けられないという形になってますね。
ITジャーナリスト 三上洋氏:
法律では戸籍自体にフリガナがない。マイナカードも戸籍を見本にするのでフリガナがない。この状態でマイナカードを作ったのがそもそも問題です。
まさか銀行口座とひも付けするということまで想定して作ってなかったから、こういうことが起きてしまっている。
恵俊彰:
でも最初にマイナンバー急がなきゃってなったのは、コロナの時とかに、給付金とかを一気に配れないからでしたよね。
日本政策総研理事長 若生幸也氏:
おっしゃる通りです。給付金を払うのが遅くなってすごく困った人たちがいっぱい出てきたというところで口座をひも付けようと。ただ、フリガナはなかったというところで、実際制度的には穴があるということになりますね。
恵俊彰:
でもこれは今後統一していかなきゃいけないですよね?
ITジャーナリスト 三上洋氏:
そうですね。それは今回の法律改正で変える方向になっています。
マイナンバー法改正へ 今後は
6月2日、マイナンバーカードの活用拡大に向けた「改正マイナンバー法」などの関連法が可決されました。
▼カード券面に氏名の「フリガナ」を追加
▼戸籍法の改正 戸籍・住民票に氏名のフリガナを追加し、公証されたフリガナが各種手続きでの本人確認で利用可能にする
などの事項も盛り込まれています。
この改正マイナンバー法の施行日は、公布から2年以内となっています。
恵俊彰:
今、不都合がある人たちを、まずはどういうふうに正常な状態に戻していくのか、ということですよね。
日本政策総研理事長 若生幸也氏:
そうですね。やっぱりひも付けのミスの部分については、早急に自治体の方も直していかなきゃいけない。
ただフリガナを付けていくという作業はものすごく大変です。郵便を出して、それぞれの住民の方々に返してもらって、というのを考えると法を変えてもやっぱり時間がかかってしまう。確定させるのに時間がかかるので、制度の問題と運用の問題を解決していかないといけない。
恵俊彰:
実際、マイナカードはもう9700万人ぐらいの方が申請しているでしょう。
もうとっくに運転免許証よりも多いわけだから、これだけの方が持ってるんだったらそれはもう徐々に使っていった方がいいわけですよね。
日本政策総研理事長 若生幸也氏:
そうですね。やっぱり個人が特定できるということは、個人にカスタマイズして情報を伝えたり、それぞれの人に合ったサービスを提供する基盤にもなりますから。そういった意味では行政サービスをより良くしていく基盤には使えると思います。
ただやっぱり当然信頼性が重要ですよね。
恵俊彰:
とにかく何か間違った情報が入ってますよっていう方は早急に自分の情報をしっかり入れる、入れてもらう。そういう環境を急いで作っていただきたいなと思いますね。
(ひるおび 2023年6月6日放送より)