広島県は、被爆建物である旧陸軍被服支廠の安全対策のための財政支援を、初めて国に要望しました。

湯崎知事らは、関係省庁に県の来年度の施策提案をするため上京。午前8時から県選出の国会議員に説明しました。

最大級の被爆建物・旧陸軍被服支廠のうち県は3棟を所有していて、1棟あたり5億8000万円の概算工事費で耐震補強する方針を2年前に決めました。
工事費は物価高でさらに増えると見込まれていて、最終的な費用はまだ示されていません。

一方で、被爆建物を保存するための厚生労働省からの補助上限額は2460万円です。この額では多額の耐震補強費を賄うには不十分として、今回、県は初めて国に財政措置の拡充を要望しています。
広島県 湯崎英彦 知事
「今の補助額だと非常にたいへんだということですよね。抜本的な拡充をしていただくか、新しい制度ないしは特別な対応をお願いしないといけない」
午後に面会した岸田総理からは「状況を確認したい」という反応があったということです。
耐震化工事の着工は現在、見通しが立っていません。