岩手県陸前高田市での全国植樹祭に出席された天皇皇后両陛下は3日、4日の2日間、被災地を中心に現状をご覧になり、県民と交流されました。

 両陛下は3日、特別機でいわて花巻空港に到着されました。ご夫妻そろっての岩手県訪問は皇太子時代の2016年6月以来で即位後は初めてです。
 釜石市では70人あまりが到着を待ち受け、お二人は呼びかけに手を振って応じていました。
 全国植樹祭の会場となった陸前高田市では沿道で旗を持った市民が到着を待ちました。高田松原津波復興祈念公園にある奇跡の一本松では佐々木拓市長の説明に耳を傾けました。

(陸前高田市 佐々木拓市長)
「説明する方が被害を受けたのですかと聞いた上で、お見舞いの言葉も掛けてもらった。私も含めすごく気持ちがいっぱいになった」

 夜になっても視察は続きます。作品が全国植樹祭のポスター原画に採用された北上市立黒沢尻西小学校5年の高橋蘭々さんは忘れられない思い出になったようです。

(高橋さん)
「すごくうれしいし、一生の心の宝物にできる」

 4日の植樹祭会場への出席前には大船渡市の復興商店街「キャッセン大船渡」を訪れ、入居する店舗や社会福祉協議会が運営する施設を巡りました。そして被災した人、大切な人を失った人と言葉を交わしていました。
 県内の歓迎ぶりはさらに高まり、立ち入り規制場所の周りで通過を見守る県民の姿も。県によりますとこの2日間を通じて両陛下が立ち寄られた施設に集まった県民はあわせて5356人に上りました。
 被災地や県民に寄り添うお二人の訪問に、県内は歓迎ムードに包まれました。