6月に入りました。ここから、あるやっかいな虫のシーズンになることをご存じでしょうか?驚異の繁殖力を誇り、うっかり刺されると眠れないほどのかゆみを引き起こすこともある害虫「トコジラミ」とはいったい?!
餌は「血」 刺されると激しいかゆみ
トコジラミという虫を聞いたことがありますか?かつては「南京虫」ともいわれていて、この呼び名に馴染みがある人もいるかもしれません。日本では戦後、強力な殺虫剤によって、ほとんど撲滅されていた虫です。

しかし、トコジラミに関する相談件数は急増しています。2005年(平成17年)に東京都に寄せられた件数は26件でしたが、2018年には354件、2019年には458件、2020年には320件となっています。
そのきっかけとみられているのは、海外からの侵入。旅行者のスーツケースや手荷物などにトコジラミが紛れてそのまま日本に居ついて増殖してしまったようです。

豊島区によると、トコジラミに刺されるとあまりのかゆさで熟睡することができず精神的にダメージを受ける人もいるといいます。さらに、トコジラミは人がいて“住みやすい”環境があれば、「清潔・不潔」関係なく、どこにでも現れるということです。
眠れない程のかゆみ、環境を選ばないムシ…少し調べただけでも恐ろしい害虫であるということがわかります。実際、トコジラミとはどんな害虫なのでしょうか、虫ケア用品メーカーのアース製薬に聞きました。
ーー害虫駆除のプロからみて「トコジラミ」とはどんなムシですか?
「脅威の繁殖力を誇る害虫です」
ーーすごそうですね…具体的にどういうことですか?
「卵から約5~11日で幼虫になり、約1か月で成虫になります。産卵時には1日に5~6個のペースで3か月間産卵し続けます。
トコジラミの主な栄養源は血液で、幼虫・成虫(雌雄)ともに吸血します。刺されると、赤っぽい発疹ができ、アレルギー反応で激しいかゆみを引き起こす場合もあります。ただ、飢餓に強く、3か月位は吸血しなくても生存が可能です。
さらに、薬剤に強い抵抗性があるトコジラミは、旧来のトコジラミと比べると1000倍以上の薬剤抵抗性を持つと言われています」