8月にハンガリーの首都ブダペストで行われる世界陸上2023の代表選考会を兼ねた「日本陸上競技選手権大会」が1日から始まる。

開幕を翌日に控えた31日、大阪市ヤンマースタジアム長居で会見が行われ、今季日本初レースとなるサニブラウン・A ハキーム(24・東レ)、世界陸上オレゴン代表の三浦龍司(21・順天堂大学)、女子100mハードル日本記録保持者の福部真子(27・日本建設工業)が出席した。

昨季の日本選手権以来1年ぶり、今季日本での初レースとなるサニブラウンは「日本で走る機会がなかなかない。応援してくれる方にいい走りを見せることが大事だし、いい機会だと思う」と話した。

今季はアメリカで2回走っているが追い風参考で10秒1秒台。昨年の世界陸上オレゴンでは日本人最上位の7位入賞だったため、今年の参加標準記録10秒00をクリアした時点で世界陸上代表が内定する。「あまり意識はしないけど、でも勝ちたい気持ちはあるので、しっかり気を緩めず行こうかなと思います」。タイムについても「仕上げていく過程で勝手にポンと出る感じですかね」と平常心でレースに臨む姿勢を見せた。この日、東レと4年間のグローバルパートナーシップ契約の締結を発表したサニブラウンが、5大会連続の代表入りを狙う。

男子3000m障害の三浦、女子100mハードルの福部は参加標準記録を突破しているため、日本選手権3位以内で世界陸上代表が内定する。「心臓がバックバクで夜も眠れないくらい不安です(笑)」と笑顔で心境を語った福部だが、寺田明日香(33・ジャパンクリエイト)、青木益未(29・七十七銀行)、田中佑美(24・富士通)、清山ちさと(31・いちご)と、12秒台の選手が5人名を連ねる競争が激しい種目だ。日本記録保持者の福部も、今月21日に行われたセイコーゴールデングランプリでは3位に終わっている。「ハイレベルすぎて、陸上を始めてからこんなにハイレベルなレースを体験するのは初めて。この環境に感謝しつつ、自分自身がしっかり楽しめるようにしたい」と意気込む。

3000m障害の三浦は大学入学以後、日本人選手には負けていない絶対的な強さを見せている。「世界陸上を決める大事な舞台。いい緊張感と自分のやりたい走りをしっかりやっていくことが目標です」と話し「自分の行きたいステージに行くためには、勝ち続けないといけない。勝ちにこだわるという自分の考えは変わらない」と強い気持ちを口にした。