電気料金が6月1日から値上げとなります。高齢者のくらしと命を預かる介護福祉施設からは「節約は難しい」との声が上がる一方、開店以来、値上げをしなかった飲食店が苦渋の決断をするなど、富山県内でも様々な影響が出ています。

富山市にある介護福祉施設「アポケアとやま」。30人の利用者がデイサービスに通っています。高齢者が生活しやすいよう施設内で特に注意を払っているのは室温と湿度の管理です。

アポケアとやま 藤井明美社長:
「夏場は大体28℃ぐらいですよね。あんまり外気温との差がないように心がけています」
記者:「エアコンの電気代、節約は難しいですか?」
藤井社長:「…ですね」
この施設では、電気代の大半が空調と風呂に関する費用。生活の上で必要不可欠な点から削減が難しいものです。しかし電気の使用量が増えないよう気をつかっても支出は、年々増えているといいます。

藤井明美社長:「令和3年年度から5年度にかけて、(電気代が)月27万円だったものが45万円、いま2倍近くになっていますので、急にあすからっていうよりは、ずっとそのような電気代に関しては悩ましいところではあります」

そのため、ことし2月から給湯器についてはガスから電気を作り出すエネファームを導入。それにより少しは節約できたといいますが、空調設備も新しくするべきかどうか設備投資と経費削減を天秤にかけて悩む日々が続いています。

アポケアとやま 藤井明美社長:「最後のセーフティーゾーンの介護の世界、医療の世界もそうですけど、苦しい思いをわかっていただいて、早く電気代の助成みたいものをしていただかなければならないと…」

電気料金をめぐっては、北陸電力が6月1日から多くの家庭が契約している「規制料金」を平均39.7パーセント値上げし、標準家庭では月額2196円高くなります。

また、商店や小規模工場向けのメニューも値上げします。いまは国の補助で電気代の1割から2割程度は抑えられているものの、秋以降の継続は不透明な状況なのです。
