「いったん10割負担」は206件 運用停止を訴える声も

トラブルの影響により・・・
▼マイナ保険証のみを持参し資格無効と表示され、窓口でいったん10割負担を徴収されたケースは206件
▼他人の情報が紐付けられていたケースは少なくとも37件
茨城県保険医協会の調査では、本人以外の複数の他人の情報が閲覧できたという事例もあります。

全国保険医団体連合会の住江会長は会見で、
「医療事故などが発生してからでは遅い。マイナ保険証を一度運用停止して(トラブルの)全容解明に努めるべきだ」と話しています。
恵俊彰:
頻繁にあるというのはちょっと驚きですね。
森まどか氏:
このところ多発していると報じられています。
そもそも「社会保険」なのか「国民健康保険」なのか、あるいは「後期高齢者医療制度」なのかという「資格」をしっかり確認して、さらに本人だという確認を取るためのシステムだったはずなのが、現在入口のところでもう既にミスが出てしまっているのが実態です。
落語家 立川志らく:
私は申し訳ないけど、最初からこの制度には反対だったので、未だにやってないんです。
医療ミスが起きて、そのために体壊したり命を落とす人が出たらどう責任を取るんだってことになってくるんで、やっぱりいったん停止をして、ちゃんと検証しなくちゃ駄目だよね。
森まどか氏:
最終的には医療の質を上げるためにデータを溜めて、データを活用して次に活かすというところに結びつかなければならないんですけど、ちょっと急ぎすぎていますね。
弁護士 八代英輝:
運用をやめるべきだという意見もあるんですけど、当面、マイナ保険証と今までの保険証を両方持って医療機関に行くということでは対応できないんですか?
森まどか氏:
そうなると実際には紙の保険証の方でこれまでと同じように確認を取ってしまうことになると思います。
今制度が走り始めて、診療報酬も紙の保険証とマイナ保険証で変わるので、請求されるお金がわずかでも違う。そのあたりのところを、きちんと整合性をとる必要があると思う。
もちろん目的があって始めたので、止めて後退するということはあってはならないと思うんですが、合意形成がしっかりできた状態でもう一度きちんと始めないとこのまま不信感が募っていくと思います。
マイナ保険証トラブル 原因は

森氏はトラブルの背景として、
健康保険証とマイナンバーカードのひもづけが手入力のため「ミスがありうる」ことを挙げています。その上で、
▼マイナ保険証の普及を急ぎすぎていなかったか
▼起こりうる問題を想定できていたか
▼目的を共有できていたか
を考える必要があるといいます。
森まどか氏:
ご本人が(誤登録に)気づいてないケースもありますし、この先医療機関に受診してみて初めてミスがあると気づくケースもあるわけですから、やはり何らかの手立てというか確認作業はしないといけないですよね。
コメンテーター 高橋ユウ:
なんか全部スムーズに行くから、そしてマイナポイントをもらえるからってみんな急いで登録したのに、逆に手間がかかっちゃって。「もう紐付けなきゃよかった」って思ってる人がたくさんいると思う。
森まどか氏:
本来のメリットが伝わりにくくなってしまっている状況ですね。
恵俊彰:
早急に現状を把握して、そういった問題もあるという前提の中でどうやって進めていくのか、ということが大事なのかもしれませんね。
(ひるおび 2023年5月30日放送より)