今年4月に新会社に経営が引き継がれた盛岡市の老舗百貨店「川徳」は、経営再建に向けて大規模なリニューアルに取り組んでいます。盛岡市の商業の中心で何が変わろうとしているのでしょうか。


 5月24日から28日の5日間、盛岡市菜園のパルクアベニュー・カワトク7階で、岩手県内の食品や工芸品を集めた物産展「いわてマルシェ2023」が開かれました。


 イベント開幕にあたり川徳の荒道泰之社長は55社の出店事業者らを前に催事開催に向けての強い思いを伝えました。


(川徳 荒道泰之 社長)
「川徳は4月1日に“新・川徳”として再スタートしております。その時にどういう川徳になろうかと話し合った時に、やはり地域の生産者の産品を内外に届けるハブになるのが川徳だよと。我々の再生に効果的な催事でございます」

川徳 荒道泰之社長


 ふたを開けてみると・・・

(来場者)
「わらび餅とカキの燻製みたいなのを買いました。初めて来たんですが賑わっていて楽しいです」
「来やすくなりましたね、前よりは。賑わっているからいいなと思いますね」

 賑わう会場。実は食品催事の売り上げは、岩手にいながら旅行気分を味わえる手軽さからコロナ禍においても好調を維持していました。


 今回の「いわてマルシェ」の売り上げは去年に比べれば微増ですが、コロナ禍前に6日間で開催された2019年と比べると117%。同じ5日間で換算すると137%とコロナ前を大幅に上回っているのです。
 大型催事は、地方百貨店にとって無くてはならないものなのです。

 ところで催事場のある7階にはリニューアルに伴って映画館が入居するという計画が一時示されていました。
 ところがその後計画は白紙となり、これまで同様催事場としての活用に収まりました。出店者からも安堵の声が聞かれました。


(岩泉町からの出店者)
「やっぱりここに来ると、盛岡だけではないところから来た人たちとも会えますし、岩泉から出てくることによって、盛岡の人や花巻の人と近くなるので、いつもお店には来れない人も来てくれるので」