熊本地方裁判所が、重要な判断がなされた民事事件の記録を廃棄していたことが明らかになりました。
最高裁判所の調査によりますと熊本地裁では『南九州税理士会の政治献金訴訟の記録が廃棄』されていました。
この裁判は、1980年に税理士の牛島昭三(うしじま しょうぞう)さんが「南九州税理士会の政治献金を目的とした特別会費の徴収」が憲法で保障された思想信条の自由を犯すと訴えたものです。

最高裁まで争われ原告・牛島さんの主張が認められた裁判の記録は重要な判例とされながらも、通常の保存期間が過ぎた2003年に廃棄されました。

調査報告書によりますと当時の担当職員は記録庫が満杯状態だったため、記録を永久的に保存する「特別保存」の検討をしていなかったということです。

熊本地裁の片山昭人(かたやま あきひと)所長は「当時の運用が不適切だった」コメントしています。