北朝鮮が、今月31日から来月11日の間に「衛星ロケット」を打ち上げると予告しました。日本の領域を通過する可能性があり、浜田防衛大臣は自衛隊に破壊措置命令を出しました。
松野官房長官はきょう未明、北朝鮮の水路当局から海上保安庁に対し、あさって31日の午前0時から来月11日の午前0時の間に「衛星ロケット」を打ち上げるとメールで通告があったことを明らかにしました。
北朝鮮側は黄海、東シナ海、ルソン島の東方の3か所に危険区域を設けるとしていて、部品などの落下が予想されます。
松野博一 官房長官
「南西諸島を含め我が国の領域を通過する可能性はあると認識しています」
政府は南西諸島など日本の領域を通過する可能性があるとしていて、浜田防衛大臣は自衛隊の部隊に対し破壊措置命令を出しました。沖縄県の与那国島や石垣島など4島にPAC-3の部隊を展開し迎撃態勢をとるほか、東シナ海にイージス艦を派遣します。
岸田総理
「衛星と称したとしても、弾道ミサイル技術を用いた発射、これは安保理決議違反であり、国民の安全に関わる重大な問題であると認識をしています」
岸田総理はアメリカや韓国などの関係諸国と連携し、北朝鮮が発射を行わないよう強く自制を求めることなどを指示しました。
これまでにも「人工衛星の打ち上げ」と称して事実上の弾道ミサイルを発射してきた北朝鮮。直近では2016年2月、午前の時間帯に発射し、日本政府はJアラートで速報しました。弾道ミサイルは沖縄・石垣島上空を通過しましたが、北朝鮮は地球観測衛星を軌道に投入することに成功したとしています。
今回の衛星の打ち上げをめぐっては、北朝鮮はかねて、初の「軍事偵察衛星」だとしてメディアを通じてその準備状況を伝えていましたが、これについて専門家は…
慶應義塾大学 礒崎敦仁 教授
「米韓の軍事施設などの動向をみるための、北朝鮮としては兵器開発を進めていく上で実際に兵器を使うための『目』として軍事偵察衛星がほしいという思いを強くしてきた」
そして北朝鮮は今後、2回、3回と繰り返し発射する可能性があると指摘しました。
慶應義塾大学 礒崎敦仁 教授
「兵器開発は際限のないもので、これが1号機であると言っている以上、これからも2号機、3号機と精度の良いものを作り上げていくということの意志の表れ」
また、北朝鮮メディアはけさ、重要政策を決める党の中央委員会総会を来月上旬に招集することを決定したと伝えていて、発射に関する報告が議題に含まれる可能性もあります。
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