来月5日に「時間切れ」が迫るアメリカの「債務の上限」の問題で、バイデン政権と野党側が基本合意に達しました。

アメリカの「債務の上限」の問題をめぐり、バイデン大統領と野党・共和党のマッカーシー下院議長は、27日、2回にわたり電話で協議し、基本合意に達しました。

アメリカ マッカーシー下院議長(共和党)
「数週間の交渉の末、我々は基本合意に至りました」

マッカーシー氏は、法案を作成し、31日に議会で採決したいとしています。

合意の内容は明らかにされていませんが、アメリカメディアは、政府の支出の一定程度の削減を条件に2年間、債務の上限を引き上げることで合意したと伝えています。協議がまとまらなければ、来月5日にも、アメリカ国債がデフォルト=債務不履行に陥るおそれが指摘されていましたが、回避できる可能性が高まりました。

ただ、与野党とも強硬派が、交渉での譲歩に反対していたいきさつがあり、議会での承認に向けて、バイデン氏、マッカーシー氏ともに今回の合意内容について、党内の理解を得る必要があります。

バイデン大統領は「上下両院に法案をすぐに可決するよう強く求める」とのコメントを発表。「合意は妥協の産物で、全員が望むものを手にできるわけではない。それが統治者の責任だ」として、共和党の要求に対して一定程度、譲歩したことを認めましたが、「基本合意は、私と民主党議員の主要な優先事項や政権の業績を守るものだ」と強調しています。議会での承認に向け、譲歩に反対していた民主党内の左派を念頭に、基本合意への理解を求めたかたちです。