中国から「G7の中で弱い」と見られる要素がある日本

ーー日本と中国の関係は大丈夫ですか? 垂 秀夫 駐中国大使が(G7首脳宣言に対する中国の抗議に)反論していますよね?

阿達雅志 参議院外交防衛委員長:
中国は多分意図的に日本に対して、わざとこれ(G7首脳宣言に対する抗議)を強く言っていて、ただ日本も言われたら反論せざるを得ない部分があって反論しちゃうんですけども、やはり日本の場合、中国から「G7での中でも弱い」と見られる要素があるんです。それは何かというと、日本というのはG7で唯一アジアの国なんです。今アジアの国というのは、相当中国の影響力を受けてるんです。

そういう影響力を受けてるのに、今の日本のいろいろやってることは極めてアメリカの考えに近いことをやってると。そうすると、日本をつつくっていうのが、アメリカをつつくよりもそのプレッシャーは、かけやすいわけです。

そういう中で日本がこれからどうやっていくかっていうのは非常に難しいとこですけども、やはり、国際情勢は、米中対立というのが大きなテーマとしてあるんですけども、それ以上に今回のウクライナを見ても「多極化」がすごく進んだってのも事実なんです。グローバルサウスも実はまとまって動いてるわけじゃなくて、それぞれの国がそれぞれの状況において、自国の利益のためにいろんなことをやってる。そういう中で従来のような「多国間の協調」というのがだいぶ今後退してきてるんです。

環境問題だとか、気候変動とか、大きなグローバルなテーマあるんだけども、従来のように多国間が協調していけば世界全体が伸びていくと、そういうことではなくなってしまっている。しかも経済についても政治についても、従来のパワーと別なリバランスが今起きてきてる。

特に大きいのは中国がぐっと出てきたことによるリバランス。そういう中で実はそれぞれの国で今相当、複雑な外交、ある部分はこっちでもやる、他の部分ではこっちでもやるっていう、そういうオペレーションをやっている。

日本は日米同盟に引っ張られて「アジアで孤立する」可能性も

ーー日本はそういうの(複雑な外交)下手ですから。やっぱりこれから大変。

阿達雅志 参議院外交防衛委員長:
日本の場合どうしても日米同盟というので引っ張られる部分あるが、一方でアジア唯一のG7国という中で、よほどうまくアジア外交をやっていかないと、日米が全く同じように見られてしまうとアジアの中でむしろ日本が孤立するということがあり得ますので、今回このG7でいろんな国を招待したっていうのは、それをだいぶ意識をしてやってこうということではあると思います。