「テレグラム」から「直接通話」 犯罪の核心へ

その後もエイトと名乗る人物とやり取りを続けると、通信アプリ「テレグラム」へ移行するよう促されます。ここからはテレグラムでのやり取りに。
「エイト」ではなく、「立川」と名乗る人物からメッセージが来ました。
石原氏:
これはもう典型的な闇バイト募集のパターンですね。とにかく人集めをするためにSNS上で窓口になっている人間と、通話をして丸め込んで登録させる人が分業化されていて、それぞれが、より専門家・先鋭化しているということですね。
~テレグラムでのメッセージのやりとり~
立川『こんばんは』
石原氏『こんばんは』
『エイトさんですか?』
立川『はい』
『本日お電話できますか』
石原氏『はい 今なら大丈夫です』
早速通話をしたいとの内容。しかしこれに返信をすると、連絡が途絶えます。
石原氏:
これが本物のリクルーターだとすると、向こうもいくつものスマホやアカウントを使いながら同時進行で何人も相手にしている可能性はありますから、それでタイムラグがあるっていうのはよくあるパターンではあります。
待つこと40分。再度通話の打診があり、大丈夫と返すと、「立川」から電話が。
~テレグラム通話でのやりとり~
石原氏「すいません。もしもし立川さんで?」
立川「はい」
立川「現状今お仕事は何されてます?」
立川「一人暮らしですか?」
立川「東京のどちらにお住まいですか?」
Twitterと同じように、具体的な質問を聞かれます。さらに…

立川「今『闇バイト』とか流行っているじゃないですか。そういうのはもう興味ないって形ですかね?」
石原氏「いや、もうとにかくお金が必要なんで、お仕事を選んでらんないなっていうのはありますね。」
立川「どういう内容かっていうと、えっと『受け子』とかわかりますかね?」
「うちら、メインが『たたき』っていわれる強盗なんですけど…」
会話の中で、「受け子」や「たたき」など、闇バイトに関する言葉が出ました。
石原氏「自分は逮捕されないっていう感じなんですかね?」
立川「受け子を1回してもらうんでゼロではないですけど、うちらと合流して顔合わせるので、雑な扱いできないというか」
立川「特殊詐欺って立件しづらい事件なので、携帯の端末に会話を残さないとか、あなたが当日来ていた服を捨てるとか、ホテルは偽名で泊まるとか、そういうことを徹底して細かく指示しますので、それに従ってもらって。」
立川「もう一度言いますけど、あなたと私、顔を合わせるわけなので、一切雑な扱いというか、警察ごとになることをしてほしくないので。足がつくようなこと。」
受け子の仕事をしてもらうが、決して雑な扱いはしないと強調しました。
そこで、なぜTwitterにダイレクトメッセージを送ってきたのかを聞いてみると
立川「うちら原則としてツイートして募集することを禁止してるので。他の業者に目をつけられたりするじゃないですか。ツイートしてたら。この業者たたきやっているんだなって。」
立川「逆にこちらから厳選して絞って声をかけていけば、危ういのを避けられるという形なので」
石原氏「なんかそのDM作戦みたいな感じがあるっていうのも初めて知ったんで。こういうパターンもあるんだっていう感じだったんですけれど。」
立川「はいはいはい そうですね どうされますか」
石原氏「立川さんのグループは、もうアカウントとか作ってツイートせずに、こういう形で闇バイト募集をするっていうのが一つのグループの手法になってるってことですね。」
立川「まあまあ そこの話はおいておいて、どうするかですね」
立川と名乗る人物は決断を急かし、ここで石原氏は取材で接触したことを明かしました。
石原氏「やっぱりこういうお仕事はやめた方がいいと思うんですよね。私、ネタばらししますけれど、ジャーナリストの石原行雄と申します。テレビ番組の取材で今こういう形の覆面取材をしてるんですよ。」
すると、何も言わずに、通話は切られました。通話は約15分に及びました。