紹介された仕事は「受け子」・「おとり」

紹介された仕事は、複雑なものでした。
▼作業しているグループに「受け子」として潜入
▼そこで金を持ち逃げしてほしい
持ち逃げした金を取りに来た別のグループのメンバーを、立川のグループが尾行して「たたき」、つまり強盗する目的で、仕事の内容としては「受け子」であり、「おとり」であると説明を受けました。
報酬についても触れており、盗んだ分の10%で、今回の取り分は1500万円ぐらいとしていました。
恵俊彰:
何よりも驚いたのは、突然「闇バイトとかって知ってますか」って向こうから言ってくるんですね。
ジャーナリスト 石原行雄氏:
そうですね。やはり私が本当にお金に困っているというキャラクターを演じていたことで、こいつは何でもやるだろうなと向こうが判断したんだと思うんですね。そうするとやはりテレグラム上は証拠が残りにくいですから、向こうも安心して露骨な犯罪勧誘をしてきたということですね。
コメンテーター 副島淳:
通話にしたいというのは、やっぱりメッセージだと証拠が残っちゃうということですか?
石原氏:
はい。あともう一つは、やはり文字を打つというのは、ワンクッション頭の中で考えてやりますから、送る方も冷静になりますよね。通話であればテンポよくトントンと会話できますから、それで丸め込まれて何となく雰囲気で学生証、運転免許証を送っちゃうみたいなところへ持ち込みやすい。
コメンテーター 副島淳:
この紹介された仕事もすごく複雑というか、受け子として潜入させて、わざとそれを持ち逃げして、取りに来たのを‟たたく”みたいな。
石原氏:
「たたき」というと、富裕層の民家などを狙うというイメージを持たれますが、元々裏社会では、別のグループが違法行為で儲けた金を奪うということでした。
奪われたグループも警察には頼れず表ざたにならないので、横行しています。
弁護士 八代英輝:
いかに違法行為に関与するハードルを下げさせるかが目的だとは思うんですけど、この時間軸の早さに驚きますね。もうこれで何か一歩進んだら、強盗予備罪の共同正犯になるというところまで来てますから。
ただの高額なバイトを探しているだけの人もこうやって巻き込まれていくんだな。簡単だなって思いますね。
わずか2時間で犯罪とかかわりを持つ状況に

ツイッターに「お金に困ってます」と投稿したのが午後6時24分。テレグラム通話で「たたき」の仕事と報酬の交渉の話がでたのが、午後8時26分。
今回のケースでは、わずか2時間で犯罪とかかわりを持つ状況になったと言えます。
弁護士 八代英輝:
高校生たちに聞くと、バイト探しの流れでこういうものに引っかかりそうになった人はかなりの率でいるんですよね。
取材した石原氏は、
「なんとなく書き込んだことがとても簡単に犯罪の入り口に繋がってしまう」
と注意をうながしています。

犯罪や事故に当たるのかわからないが警察に相談したいことがある場合、「警察相談専用電話」#9110に相談してください。
また、危険が迫ったときは迷わず110番をしてください。
(ひるおび 2023年5月25日放送より)