6月4日に投開票が行われる青森県知事選挙は17日間の選挙戦が26日折り返しです。シリーズでお伝えしている4人の候補者の主な政策、今回は「環境・エネルギー」です。

※東北電力 樋口康二郎社長
「お客さまの電気料金について2023年6月1日から平均で25.47%の値上げを実施させていただきたい」

燃料費の高騰による火力発電のコスト上昇を受け、東北電力は家庭向け電気料金を6月から約10年ぶりに値上げします。東京電力福島第一原発事故以降、東通原発を含め再稼働していない原発もあり、国内の発電量は7割を火力でまかなっている状況で、再生可能エネルギー導入の拡大が進められています。ただ、そこにも課題はあります。日本百名山の一つ「八甲田山系」。この大自然の中に、風力発電事業が計画され、周辺の自治体を中心に景観や生態系が損なわれるとして、反対の声が上がっています。

電気料金値上げの今 各候補者が掲げる「環境・エネルギー」政策は?


※宮下 宗一郎候補
「握手に込められた思いはただ一点、青森県を変えてほしい。そして大きく変えてほしい」

宮下宗一郎候補は、八甲田での風力発電は白紙撤回し、県内で自然保護と再生可能エネルギーの促進にエリアを分ける条例を制定すると訴えています。また、原発は安全を第一にして再稼働が必要との考えです。


※宮下 宗一郎候補
「電気代で生活や事業環境が大変苦し状況になっています。これで(電気代が)上がるということはほとんど論外だと思いますが、こうした環境を改善するために、まずは原子力(発電所)の再稼働が必要だと思います。それについて、地域として安全第一にとにかく安全第一に協力していく。洋上風力については、産業としての期待はあります。沿岸市町村や漁師の皆さん、漁協の皆さんの理解のもとで進めていくべきもの」

横垣成年候補は、脱原発を目指し、再生可能エネルギーへの転換と省エネを進める考えです。八甲田の風力発電は撤回を求めるとしています。


横垣 成年候補
「脱原発を将来的には目指すような青森県のエネルギー政策にいきたいと思います。再生可能エネルギーについては、八甲田の風力発電計画は撤回を求めながらも、環境に配慮した再生可能エネルギーと省エネ。無駄遣いはやめる」


※小野寺 晃彦候補
「しっかりと公約を皆さんとのお約束。県民とのお約束を実現できる」

小野寺晃彦候補は、八甲田の風力発電には反対の立場を表明しています。また、洋上風力発電を中心に再生エネルギーを拡大し、原発は、安全を確保して国の責任で事業を前に進めるべきと訴えています。


※小野寺 晃彦候補
「再生エネルギーへの転換は重要です。脱炭素チャレンジ宣言を青森県はしていますから、そこはしっかりと。石油、石炭には頼れない。ですから洋上風力を中心に青森県の日本海側北部、南部で有望区域がございますので、地域との共生、自然破壊につながらないように、自然災害防止の観点も交えて洋上風力を中心に広げていくことは必要。原子力についても国策ですので、絶対的に安全性を確保する、これを大条件として国の責任において進めるべきものと考えています」

楠田謙信候補は、八甲田での風力発電も含め自然エネルギーの導入を推進する考えであり、住民が反対する場合は意見を聞くとしています。


※楠田謙信候補
「自然エネルギー、風力、太陽光発電、地熱発電、やれることはどんどんやっていくべきだと思っております。そこで問題なのは、景観がどうのこうのとか温泉のお湯が減るとかいろいろ問題が出てくるのはわかっていますが、電気なくして産業はない。原子力については、私は、はっきりよくわかりません。政府の考えを聞きながらやっていきたい」

ここまで知事選、「環境・エネルギー政策」、それぞれの候補者の訴えをお伝えしました。